生徒会長と秘密の契約


【宇佐美直人side】

「また今年も言えなかったな……」

言おうとしていた言葉は、無情にも花火の音にかき消されてしまった。

ドォン……と最後の花火が上がり、儚く散っていく。

邪魔すんなよ。
……でもまあ、当然か。
ウソをついて、先輩を脅すようなことをして。

そんな卑怯な手を使ってまで側にいようとした俺に、好きだと伝える権利はないよな。

「あーあ」

恋ってなんでこんな難しいのかね。

俺が初めて先輩を見たのは、高校選びをするのに学校見学をした時だった——。
太陽が痛いぐらいに照り付ける8月。

『初めまして、生徒会副会長をやっています、1年の吉永唯人です。今日は俺が学校を案内しますのでよろしくお願いします』

丁寧なあいさつをしてきた人。
大人びた顔をしていてしっかりしているから上級生だと思っていたのに、1年だという。

へぇ、ちょっと前に入って来たばっかじゃん。