「きゃぁ!」
「もぉ、ルナったら!」
「気を付けてよぉ……」
少女たちの悲鳴が浴室に響く。
水しぶきがレオンにも盛大にかかった。
「うわっ! 何す……、あ……」
反射的に振り返ったレオンは――見てしまった。
ルナのバスタオルが、派手に転んだ拍子に大きくはだけていたのだ。
湯に濡れた白い肌が、湯気の中に浮かび上がる。
成長途上の、けれど確かに女性としての丸みを帯び始めた体。
滴る水滴が、その曲線をなぞるように流れ落ちていく。
レオンの脳裏に、その光景が一瞬で焼き付いた。
「ご、ごめん! 今の見てない! 全然見てない!」
レオンは慌てて目を逸らし、頭を抱えた。
心臓が、爆発しそうなほど激しく鳴っている。
(ヤバい、ヤバい、ヤバい……まずい、まずい、まずい……!)
頭の中が真っ白になり、何も考えられない。
ただ、先ほどの光景だけが、まるで残像のように瞼の裏に焼き付いて離れない。
消そうとすればするほど、鮮明に蘇ってくる。
しかし――。
「み……、見たわね……」
ルナの声が、震えていた。
振り返らなくても分かる。
彼女の顔は茹でダコのように真っ赤になっているはずだ。
緋色の瞳が、怒りと羞恥で燃え上がっているはずだ。
「い、いや、本当に湯気でよく見えなかったんだって! セーフだよセーフ! ほら、湯気すごいし!」
レオンは窓の外から目をそらさないようにしながら、必死に言い訳する。
その声は上ずり、明らかに動揺が隠しきれていなかった。
「嘘つきぃぃぃぃ!!」
ルナは両手で盛大にお湯をすくい上げ、レオンに向かって勢いよくぶちまけた。
「うわぁ! ちょ、ちょっと止めてよぉ!」
「エッチ! スケベ! のぞき魔!」
バシャン! バシャン! と、激しい水の音が響く。
お湯が盛大にレオンの頭にかかる。
「僕、何にもしてないのにぃぃぃ! むしろ被害者だよ! ぶわっ!」
レオンはお湯の奔流を受けながら、半泣きで抗議した。
本当に、ただ振り返っただけなのだ。
「まぁまぁ、今のは事故でしょう? ルナが勝手に転んだんだし。レオンも見えてないって言ってるし……ね?」
エリナが慌てて割って入り、ルナをなだめようとする。
その頬もほんのり赤く染まっているのは、もし自分がそうなったら、ということを想像してしまうからだろうか?
「こんなところで見せたくなかったのに……」
ルナは唇を尖らせ、涙目になっている。
その様子は怒っているというより、恥ずかしさと悔しさで一杯といった感じだった。
本当なら、もっと特別な場面で。
もっとロマンチックな雰囲気の中で。
心の準備ができた時に。
そんな乙女心が、言葉にならない想いとなって溢れ出している。
「どこならいいのよ?」
ミーシャが無表情で容赦なくツッコんだ。
「そ、それは……その……」
ルナの顔が、さらに赤くなる。
緋色の瞳が、恥ずかしさで潤んでいた。
「ダーーメ! そんな不純異性交遊はお姉さんが許しません!」
エリナはルナの言葉を遮って叫んだ。
レオンとルナのそんなシーンは、絶対に妨害せねばならなかった。
――レオンは私とそうなりたいと思っているはず……なんだから!
と、勘違いした妄想を膨らませながら。
「そうよ、みんな清い関係でいないと……ね?」
シエルも頷く。
その表情は真剣そのものだが、頬がほんのり赤いのは、やはり彼女もレオンとの妄想をしてしまっているからだろうか。
「そうそう、見せなくていいからね? っていうか見せちゃ駄目だからね? 約束だよ?」
レオンも窓の外を向いたまま、必死に念を押した。
この話題から一刻も早く逃れねば――。
しばしの沈黙。
このまま、何事もなく終わってくれれば――。
そう願った、まさにその時。
「で、レオンって……どんな女の子が好きなのかしら? ふふっ」
ミーシャの、悪魔のような質問が浴室に響き渡った。
空気が、一変する。
静まり返る浴室――。
先ほどまでのにぎやかな雰囲気が嘘のように消え去り、四人の少女たちの緊迫した視線が一斉にレオンへと注がれる。
それは運命の選択肢を待つ乙女たちの、真剣な眼差しだった。
「え? ど、どんな……って?」
レオンが驚いて声を裏返らせる。
これは罠だ。絶対に罠だ。どう答えても地獄が待っている――そんな直感が、彼の背筋を走った。
「やっぱり胸が大きい子? 世の男性は皆そうおっしゃいますわよね。ふふっ」
ミーシャは自分の豊かな胸元を誇示するように、少し胸を張りながら切り込んでくる。
バスタオル越しにも分かる、見事な双丘。
その笑顔は聖女のそれだが、目は完全に獲物を追い詰める狩人のものだった。
「もぉ、ルナったら!」
「気を付けてよぉ……」
少女たちの悲鳴が浴室に響く。
水しぶきがレオンにも盛大にかかった。
「うわっ! 何す……、あ……」
反射的に振り返ったレオンは――見てしまった。
ルナのバスタオルが、派手に転んだ拍子に大きくはだけていたのだ。
湯に濡れた白い肌が、湯気の中に浮かび上がる。
成長途上の、けれど確かに女性としての丸みを帯び始めた体。
滴る水滴が、その曲線をなぞるように流れ落ちていく。
レオンの脳裏に、その光景が一瞬で焼き付いた。
「ご、ごめん! 今の見てない! 全然見てない!」
レオンは慌てて目を逸らし、頭を抱えた。
心臓が、爆発しそうなほど激しく鳴っている。
(ヤバい、ヤバい、ヤバい……まずい、まずい、まずい……!)
頭の中が真っ白になり、何も考えられない。
ただ、先ほどの光景だけが、まるで残像のように瞼の裏に焼き付いて離れない。
消そうとすればするほど、鮮明に蘇ってくる。
しかし――。
「み……、見たわね……」
ルナの声が、震えていた。
振り返らなくても分かる。
彼女の顔は茹でダコのように真っ赤になっているはずだ。
緋色の瞳が、怒りと羞恥で燃え上がっているはずだ。
「い、いや、本当に湯気でよく見えなかったんだって! セーフだよセーフ! ほら、湯気すごいし!」
レオンは窓の外から目をそらさないようにしながら、必死に言い訳する。
その声は上ずり、明らかに動揺が隠しきれていなかった。
「嘘つきぃぃぃぃ!!」
ルナは両手で盛大にお湯をすくい上げ、レオンに向かって勢いよくぶちまけた。
「うわぁ! ちょ、ちょっと止めてよぉ!」
「エッチ! スケベ! のぞき魔!」
バシャン! バシャン! と、激しい水の音が響く。
お湯が盛大にレオンの頭にかかる。
「僕、何にもしてないのにぃぃぃ! むしろ被害者だよ! ぶわっ!」
レオンはお湯の奔流を受けながら、半泣きで抗議した。
本当に、ただ振り返っただけなのだ。
「まぁまぁ、今のは事故でしょう? ルナが勝手に転んだんだし。レオンも見えてないって言ってるし……ね?」
エリナが慌てて割って入り、ルナをなだめようとする。
その頬もほんのり赤く染まっているのは、もし自分がそうなったら、ということを想像してしまうからだろうか?
「こんなところで見せたくなかったのに……」
ルナは唇を尖らせ、涙目になっている。
その様子は怒っているというより、恥ずかしさと悔しさで一杯といった感じだった。
本当なら、もっと特別な場面で。
もっとロマンチックな雰囲気の中で。
心の準備ができた時に。
そんな乙女心が、言葉にならない想いとなって溢れ出している。
「どこならいいのよ?」
ミーシャが無表情で容赦なくツッコんだ。
「そ、それは……その……」
ルナの顔が、さらに赤くなる。
緋色の瞳が、恥ずかしさで潤んでいた。
「ダーーメ! そんな不純異性交遊はお姉さんが許しません!」
エリナはルナの言葉を遮って叫んだ。
レオンとルナのそんなシーンは、絶対に妨害せねばならなかった。
――レオンは私とそうなりたいと思っているはず……なんだから!
と、勘違いした妄想を膨らませながら。
「そうよ、みんな清い関係でいないと……ね?」
シエルも頷く。
その表情は真剣そのものだが、頬がほんのり赤いのは、やはり彼女もレオンとの妄想をしてしまっているからだろうか。
「そうそう、見せなくていいからね? っていうか見せちゃ駄目だからね? 約束だよ?」
レオンも窓の外を向いたまま、必死に念を押した。
この話題から一刻も早く逃れねば――。
しばしの沈黙。
このまま、何事もなく終わってくれれば――。
そう願った、まさにその時。
「で、レオンって……どんな女の子が好きなのかしら? ふふっ」
ミーシャの、悪魔のような質問が浴室に響き渡った。
空気が、一変する。
静まり返る浴室――。
先ほどまでのにぎやかな雰囲気が嘘のように消え去り、四人の少女たちの緊迫した視線が一斉にレオンへと注がれる。
それは運命の選択肢を待つ乙女たちの、真剣な眼差しだった。
「え? ど、どんな……って?」
レオンが驚いて声を裏返らせる。
これは罠だ。絶対に罠だ。どう答えても地獄が待っている――そんな直感が、彼の背筋を走った。
「やっぱり胸が大きい子? 世の男性は皆そうおっしゃいますわよね。ふふっ」
ミーシャは自分の豊かな胸元を誇示するように、少し胸を張りながら切り込んでくる。
バスタオル越しにも分かる、見事な双丘。
その笑顔は聖女のそれだが、目は完全に獲物を追い詰める狩人のものだった。



