【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~戦闘力ゼロの追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と送る甘々ライフ~

 レオンは、少女たちの顔を一人一人見つめた。

 エリナ。復讐に囚われていた剣士。でも今は、仲間のために剣を振るう戦士。

 ミーシャ。聖女の仮面を被っていた少女。でも今は、素の自分を見せてくれる。

 ルナ。暴走する力に怯えていた魔法使い。でも今は、その力を仲間のために使おうとしている。

 シエル。家の商品として扱われていた令嬢。でも今は、自分の意志で戦う弓手。

 みんな、傷ついて、迷って、それでも前を向いて歩いている。

 自分だけが、立ち止まっているわけにはいかない。

 そして、ようやく――小さく、笑えた。

「ありがとう……みんな」

 その笑顔は、まだ少し弱々しかったけれど。

 涙の跡が残る頬は、まだ濡れていたけれど。

 それでも確かに、希望の光が――そこには宿っていた。

 少女たちの顔にも、安堵の笑みが広がる。

 窓の外では、いつの間にか雲が切れて、午後の陽光が差し込んでいた。

 その光が、五人の姿を優しく照らしている。

 まだ、終わりじゃない。

 これは、新たな始まりなのだ。

 スキルを失った軍師と、ぶっ飛んでる少女たち。

 けれど、その絆は――どんな力よりも、強い。

 レオンは、静かに決意を新たにした。

 ――この子たちのためにも、もう一度立ち上がろう。

 ――たとえスキルがなくても、自分にできることを探そう。

 ――そして、いつか必ず――失ったものを取り戻してみせる。

 砕けた運命の欠片を、もう一度繋ぎ合わせるために。

 大切な仲間たちと共に、歩み続けるために。

 喪失と再生の物語は、ここから始まる――。


        ◇


 夕方になってレオンは独り、浴室の扉を開ける――。

 夕暮れの陽光が窓辺を琥珀色に染めていた。

 西日が差し込む浴室は、まるで蜂蜜を溶かしたような、甘く温かな光に満ちている。

 白い湯気が立ち上る湯船を見つめながら、そっと息を吐く。

 胸に手を当てたが――そこにはもう何も宿っていない。

(さて、僕は何を頑張ればいいんだろう……)

 仲間たちは「私たちがいる」「レオンは一人じゃない」と笑ってくれた。

 けれど――お荷物になるわけにはいかない。

 何かで貢献しなくては。彼女たちの役に立たねば。

 自分は戦えない。血を見れば体が動かなくなる。そして今、未来を視る力も失った。

 自分にできることなんて、何があるのだろう?

 答えの出ない問いを抱えたまま、ゆっくりと湯船に身を沈める。

「ふはぁ……。いい湯だなぁ……」

 温かいお湯が、疲れ果てた心と体を優しく包み込んでくれる。

 少しだけ、ほんの少しだけ、心が軽くなった気がした。

 こうして一人で湯船に浸かっていると、全てを忘れられそうな気がする。

 その時だった。

 バーン!

 と、扉が勢いよく開け放たれた。

「おじゃましまーす! ふふーん!」
「お背中流しに参りましたぁ!」
「ふふっ。いいでしょ?」
「ボクも一緒に入るよ!」

 少女たちの弾むような声が、浴室に響き渡る。

「な、な、な――!?」

 レオンが慌てて振り返ると、体にバスタオル一枚を巻いただけの四人の美少女たちが、次々と入ってくるではないか。

 湯気の向こうに浮かび上がる、四つの美しい(シルエット)

 バスタオルの下から覗く、しなやかな脚線。

 透き通るような白い肌。

 そして、薄布越しにも分かる女性らしい曲線――。

 ドクン、と。

 レオンの心臓が、激しく跳ねた。

「な、な、何で入ってくるんだよ!? 今、僕が入ってるんじゃないかぁ!?」

 顔を真っ赤にして叫ぶレオンに、ミーシャが優雅な微笑みを浮かべる。

 その笑顔は聖女そのものだが、空色の瞳の奥にはいつもの悪戯っぽい光が宿っていた。

「あらあら、いいじゃありませんの。気分がすぐれない時には、スキンシップが一番の良薬ですわ?」

 そう言うと、ミーシャは当たり前のようにバスタオルの裾をたくし上げ、浴槽に足を踏み入れ――。

 ぼちゃん。

 レオンの隣に、何の躊躇もなく湯船へと身を沈めた。

「おわっ!」

 お湯が大きく波打ち、その反動でレオンの体がミーシャの方へと寄せられる。

 それに合わせてミーシャもわざと寄りかかってくる。

 ミーシャの柔らかな肌が二の腕に触れ、甘い花の香りが鼻をくすぐった瞬間――全身がドクンと反応した。

 柔らかい。

 温かい。

 そして、とてつもなくいい匂いがする。

 レオンの理性が、悲鳴を上げていた。

「お、おい! エリナ! こういうのはキミが止めないと……!」

 レオンは必死に助けを求めた。

 エリナには一応、女の子の監視役をお願いしているのだ。こういう暴走を止めてくれないと困る。

 しかし――。

「だ、だって……レオン、元気なかったんだもん……」

 エリナは口を尖らせ、頬を真っ赤に染めながらそっぽを向いている。

 いつもの凛とした雰囲気とは違う、妙に初々しい反応だった。

 黒曜石のような瞳が、チラチラとこちらを窺っている。