「あれ?花園さん?」
光輝と同じくキラキラと輝いている花園さん。
何故かド派手に目立つ学校一の美少女が、道の脇に立っている。
花園さんは、光輝と同じく選ばれし生徒たちが集う特進クラスに在籍しているため、一般クラスへ繋がる廊下にいるはずがないんだが……?
不思議に思いながら頭を軽く下げて通り過ぎようとしたが、突然花園さんに声を掛けられた。
「黒井君、ちょっといい?話があるの。」
「えっ!……わ、分かった。」
客観的に女子生徒から「話がある。」なんて言われたら、告白の二文字が過るが……花園さんの表情が無表情かつ、かなりそっけない態度だったので、そんな勘違いはできない。
それくらい、いつもと様子が違っていて驚いた。
一体何の話だろう?光輝についてかな?
その予想は大当たり!……だったが、光輝の好きなモノは〜とか光輝と仲良くなるには〜とか言うライトな話ではなかった。
「いい加減に察してくれない?マジ空気読めよ、このクソ陰キャ野郎。」
「…………。」
可愛い顔から飛び出すドキツイ言葉に、白目を剥いて固まる。
?なんて??今、なんて言ったの?
空気を具現化したら針地獄。
そのくらいチクチクと攻撃的なオーラと、それに相応しい冷え冷えとした表情に冷たい目を俺に向けてくる花園さんを見て驚く。
い、いつもの花園さんじゃな〜い!
「は、はぁ……それは、す、すみません?」
とりあえず怒っているのは分かったので、謝ってみると、花園さんはチッ!!と大きな舌打ちをした。
それにも驚いて、また白目を剥いていると、花園さんは蔑むような目で俺を睨みつける。
「日野君は優しいから、お前みたいな冴えないブサイクでも見捨てないんだろうけどさ〜少しは察して遠慮しろよ、クズ。
何、やってもらって当然みたいな顔してんだよ。日野君が何でしてくれるからって、それに甘えて男のくせに気持ち悪いんだよ。」
「別にやってもらって当たり前だとは……。」
『思ってない』と言おうとしたが、それより前に花園さんが話し始めたので、俺の声は遮られた。
「だったら無自覚で日野君を使ってるんだ。うわ、引くわ〜。
アンタ顔も頭も悪いんだから、日野君みたいな人と一緒にいると必然的にお荷物になるの分かるでしょ?
いいなぁ〜そんな厚顔無恥になれたら、人生楽しいだろうなぁ〜。」
「……ハハッ。まぁ、確かに人生それなりに楽しませてもらってますね。あ、ありがとう……?」
もうこの言葉達が、何にカテゴリーしているかさえ迷子。
そのため理解が追いつかず、とりあえず『いいな』と言われたからお礼を言ったのだが……花園さんの機嫌は、恐ろしいくらい急降下していく。
「はっ?褒めてないけど?ほんっとアンタって、馬鹿なんだね。
はっきり言って邪魔。日野君の人生から消えろ、お荷物。
お前は日野君の人生を汚いモノにする汚物なの。────分かるよね?
『俺の様なゴミは日野君の側にいてはいけませんでした。』って言って、二度と近寄らなきゃいいの。
日野君が大事なら、そうする事が当然よね?
キラキラ輝く王子様の周りには、同じくキラキラ輝く同類だけがいるべきなんだから。」
天使の様な笑顔で言われた言葉になんだかモヤッとして、俺は反射的に口を開いた。
「それを判断するのって、光輝だろう?俺達がそれを勝手に決めたら駄目だ。」
サラッと出た言葉は、多分九割は自分に言い聞かせたモノ。
そうそう、俺がこうするべきだと思う事は、人に押し付けてはいけない。
大事なら見守る。俺が今、正しいと思う事はこれだから、何を言われても変えない。
ちょっとカッコつけて言った────のが悪かったのか、突然激昂した花園さんにビンタを食らった。
「────ほげっ!」
「何ドヤ顔してんだよ!!あぁ!もう腹立つ!!
まぁ、そんな余裕な態度取れるのも、文化祭までだからいいけど。なんたって、日野君は私のために大会に出てくれるんだから〜。」
ひりつく頬を撫でながら、ハテナマークを頭から飛ばしていると、そのまま花園さんはウットリした顔で喋り始める。
「だってぇ〜大会のミスは絶対私でしょ?なのに、ミスターに立候補するって……そういう事よ。
部活の時は私が一番にタオルを持っていってるし、クラスも一緒だし、本当は私ともっと仲良くなりたいと思っているのにアンタが邪魔するから!
昨日も何?わざわざ邪魔しにきてさ〜。せっかく私がモテている姿を見せて焦らしてたのに!」
「モ、モテている姿……?じ、焦らす?」
サボっている姿じゃなくて……?
本気で理解が出来なくてポカンッとしている俺の前で、花園さんは赤くなってきた顔を両手で押さえて、キャーッ!と叫ぶ。
「あの時日野君が機嫌悪かったのって、絶対焼きもち焼いたからでしょ!
ああ〜ん、ごめんねぇ日野君!ちょっとやり過ぎちゃったって反省しちゃった。日野君って焼きもち焼くと、あんな感じになるんだ〜。ホントカッコいい!」
「???」
最後はポーッ……と虚ろ気な顔で上を向く花園さん。
その姿は、外見だけ見ればなんだか神聖なモノに見えなくもないが……何を考えているかサッパリなため、不気味なモノに見えた。
「日野君は、カッコいいし頭もいいし運動神経もよくて完璧!やっと現れた私にピッタリなパーフェクト王子様なの!
やっと私を迎えに来てくれた王子様!そんな王子様に愛されて、綺麗で優しいお姫様は永遠に幸せに……。」
ブツブツと呟く話は、どっかで聞いたようなおとぎ話の様だ。
とりあえず、花園さんは光輝が大好き、それは理解した。
「そ、そっか〜!王子様とお姫様ね!いいねいいね、ハッピーエンド!上手くいくといいな〜頑張れよ。」
花園さんにも光輝同様、あーだこーだは言うまい。
好きにやってみて、是非良い結果を手にして頂きたい。
ルンルン〜♬と鼻歌を歌いながらその場を後にしようとしたら、最後は花園さんにケツバットならぬケツキックをされて、慌てて一般クラスの教室へと逃げ込んだ。
光輝と同じくキラキラと輝いている花園さん。
何故かド派手に目立つ学校一の美少女が、道の脇に立っている。
花園さんは、光輝と同じく選ばれし生徒たちが集う特進クラスに在籍しているため、一般クラスへ繋がる廊下にいるはずがないんだが……?
不思議に思いながら頭を軽く下げて通り過ぎようとしたが、突然花園さんに声を掛けられた。
「黒井君、ちょっといい?話があるの。」
「えっ!……わ、分かった。」
客観的に女子生徒から「話がある。」なんて言われたら、告白の二文字が過るが……花園さんの表情が無表情かつ、かなりそっけない態度だったので、そんな勘違いはできない。
それくらい、いつもと様子が違っていて驚いた。
一体何の話だろう?光輝についてかな?
その予想は大当たり!……だったが、光輝の好きなモノは〜とか光輝と仲良くなるには〜とか言うライトな話ではなかった。
「いい加減に察してくれない?マジ空気読めよ、このクソ陰キャ野郎。」
「…………。」
可愛い顔から飛び出すドキツイ言葉に、白目を剥いて固まる。
?なんて??今、なんて言ったの?
空気を具現化したら針地獄。
そのくらいチクチクと攻撃的なオーラと、それに相応しい冷え冷えとした表情に冷たい目を俺に向けてくる花園さんを見て驚く。
い、いつもの花園さんじゃな〜い!
「は、はぁ……それは、す、すみません?」
とりあえず怒っているのは分かったので、謝ってみると、花園さんはチッ!!と大きな舌打ちをした。
それにも驚いて、また白目を剥いていると、花園さんは蔑むような目で俺を睨みつける。
「日野君は優しいから、お前みたいな冴えないブサイクでも見捨てないんだろうけどさ〜少しは察して遠慮しろよ、クズ。
何、やってもらって当然みたいな顔してんだよ。日野君が何でしてくれるからって、それに甘えて男のくせに気持ち悪いんだよ。」
「別にやってもらって当たり前だとは……。」
『思ってない』と言おうとしたが、それより前に花園さんが話し始めたので、俺の声は遮られた。
「だったら無自覚で日野君を使ってるんだ。うわ、引くわ〜。
アンタ顔も頭も悪いんだから、日野君みたいな人と一緒にいると必然的にお荷物になるの分かるでしょ?
いいなぁ〜そんな厚顔無恥になれたら、人生楽しいだろうなぁ〜。」
「……ハハッ。まぁ、確かに人生それなりに楽しませてもらってますね。あ、ありがとう……?」
もうこの言葉達が、何にカテゴリーしているかさえ迷子。
そのため理解が追いつかず、とりあえず『いいな』と言われたからお礼を言ったのだが……花園さんの機嫌は、恐ろしいくらい急降下していく。
「はっ?褒めてないけど?ほんっとアンタって、馬鹿なんだね。
はっきり言って邪魔。日野君の人生から消えろ、お荷物。
お前は日野君の人生を汚いモノにする汚物なの。────分かるよね?
『俺の様なゴミは日野君の側にいてはいけませんでした。』って言って、二度と近寄らなきゃいいの。
日野君が大事なら、そうする事が当然よね?
キラキラ輝く王子様の周りには、同じくキラキラ輝く同類だけがいるべきなんだから。」
天使の様な笑顔で言われた言葉になんだかモヤッとして、俺は反射的に口を開いた。
「それを判断するのって、光輝だろう?俺達がそれを勝手に決めたら駄目だ。」
サラッと出た言葉は、多分九割は自分に言い聞かせたモノ。
そうそう、俺がこうするべきだと思う事は、人に押し付けてはいけない。
大事なら見守る。俺が今、正しいと思う事はこれだから、何を言われても変えない。
ちょっとカッコつけて言った────のが悪かったのか、突然激昂した花園さんにビンタを食らった。
「────ほげっ!」
「何ドヤ顔してんだよ!!あぁ!もう腹立つ!!
まぁ、そんな余裕な態度取れるのも、文化祭までだからいいけど。なんたって、日野君は私のために大会に出てくれるんだから〜。」
ひりつく頬を撫でながら、ハテナマークを頭から飛ばしていると、そのまま花園さんはウットリした顔で喋り始める。
「だってぇ〜大会のミスは絶対私でしょ?なのに、ミスターに立候補するって……そういう事よ。
部活の時は私が一番にタオルを持っていってるし、クラスも一緒だし、本当は私ともっと仲良くなりたいと思っているのにアンタが邪魔するから!
昨日も何?わざわざ邪魔しにきてさ〜。せっかく私がモテている姿を見せて焦らしてたのに!」
「モ、モテている姿……?じ、焦らす?」
サボっている姿じゃなくて……?
本気で理解が出来なくてポカンッとしている俺の前で、花園さんは赤くなってきた顔を両手で押さえて、キャーッ!と叫ぶ。
「あの時日野君が機嫌悪かったのって、絶対焼きもち焼いたからでしょ!
ああ〜ん、ごめんねぇ日野君!ちょっとやり過ぎちゃったって反省しちゃった。日野君って焼きもち焼くと、あんな感じになるんだ〜。ホントカッコいい!」
「???」
最後はポーッ……と虚ろ気な顔で上を向く花園さん。
その姿は、外見だけ見ればなんだか神聖なモノに見えなくもないが……何を考えているかサッパリなため、不気味なモノに見えた。
「日野君は、カッコいいし頭もいいし運動神経もよくて完璧!やっと現れた私にピッタリなパーフェクト王子様なの!
やっと私を迎えに来てくれた王子様!そんな王子様に愛されて、綺麗で優しいお姫様は永遠に幸せに……。」
ブツブツと呟く話は、どっかで聞いたようなおとぎ話の様だ。
とりあえず、花園さんは光輝が大好き、それは理解した。
「そ、そっか〜!王子様とお姫様ね!いいねいいね、ハッピーエンド!上手くいくといいな〜頑張れよ。」
花園さんにも光輝同様、あーだこーだは言うまい。
好きにやってみて、是非良い結果を手にして頂きたい。
ルンルン〜♬と鼻歌を歌いながらその場を後にしようとしたら、最後は花園さんにケツバットならぬケツキックをされて、慌てて一般クラスの教室へと逃げ込んだ。

