新学期が始まった。
部活動や、バケーションで日焼けした生徒達は、それぞれ日焼け自慢をしたりして教室は賑やかだ。
一方、新学期が始まった。テストだ。と項垂れる姿もある。
サトはいつもと変わらずに新学期を迎えていた。
少し変わったといえば、亮太と目が合うことが多くなったような気がしていた。
見られている。
いや、僕が見ているからか。
変な期待を胸の奥にしまう。
この土日は、高校サッカー選手権予選の第一試合だ。
クラスの女子たちが、亮太に話しかけている。
「見に行くね」
「亮太くんを見に行くんじゃないよ。先輩よ」
「試合でる?」
女子だけでなく、男子からも囲まれている亮太をこっそり見る。
「好きな人って見ちゃうよね」
そんな言葉が耳に入ってきて、びっくりする。
別の席で恋バナをしていた女子の会話だった。
「見てるつもりなかったんだけど、目で追っちゃってさ」
「ああ、同じ塾の?」
「そうそう、夏季講習、ずっと一緒だったから、見てたみたい。無意識で」
「好きってバレた?」
「見てるよね。気持ち悪いんだけどって言われたー」
キャーと盛り上がっている。
無意識で……。
気持ち悪い……。
そうだよな。気持ち悪いよな。
僕が見てるから、目が合ってるだけ。そう。それだけ。
部活動や、バケーションで日焼けした生徒達は、それぞれ日焼け自慢をしたりして教室は賑やかだ。
一方、新学期が始まった。テストだ。と項垂れる姿もある。
サトはいつもと変わらずに新学期を迎えていた。
少し変わったといえば、亮太と目が合うことが多くなったような気がしていた。
見られている。
いや、僕が見ているからか。
変な期待を胸の奥にしまう。
この土日は、高校サッカー選手権予選の第一試合だ。
クラスの女子たちが、亮太に話しかけている。
「見に行くね」
「亮太くんを見に行くんじゃないよ。先輩よ」
「試合でる?」
女子だけでなく、男子からも囲まれている亮太をこっそり見る。
「好きな人って見ちゃうよね」
そんな言葉が耳に入ってきて、びっくりする。
別の席で恋バナをしていた女子の会話だった。
「見てるつもりなかったんだけど、目で追っちゃってさ」
「ああ、同じ塾の?」
「そうそう、夏季講習、ずっと一緒だったから、見てたみたい。無意識で」
「好きってバレた?」
「見てるよね。気持ち悪いんだけどって言われたー」
キャーと盛り上がっている。
無意識で……。
気持ち悪い……。
そうだよな。気持ち悪いよな。
僕が見てるから、目が合ってるだけ。そう。それだけ。
