高広と翔太を屋上に残して、私達女子3人は工業棟のトイレに来ていた。


使用頻度が少ないためか、ここのトイレは比較的きれいだから好きだ。


そこから屋上に戻ろうと西棟に向かい、廊下を歩いているけど……相変わらずの空間のヒビに、まだ慣れる事ができなくて頭が痛くなる。


「とりあえずさ、八代先生に相談だよね。いるかどうかわからないけど、五限目に明日香と旧校舎に行ってきなよ」


放課後、ひとりになった時に「赤い人」は現れる。


皆がいてくれれば、危険はないだろうけど……先生の協力もあった方が良い事は確かだ。


「そうだね。その場所が分からなかったら、先生の車で寝ないとね。その時は、私が一緒にいてあげるから」


そうだ、私は学校に閉じ込められてるから、もしも今日その場所が分からなかったら、ここで寝なきゃならないんだ。


そんな事を考えながら西棟に入り、階段を上ろうとした時だった。








「ん?あ、柊!ちょっと待て!何ださっきの小テストは。白紙とは良い度胸じゃないか……職員室にカモーン」