「ダメ!美子……私と約束したでしょ!もう『カラダ探し』は終わってるんだから、美紀に従う必要はないんだよ……美子との約束は守るから。だからお願い……操られないで!」


美子の身体をギュッと抱き締めて私は、ふたつ目の可能性に賭けるしかないという事を、この時にはもう感じていた。


「美子ちゃん!お姉ちゃんの言う事が聞けないの!?」


美紀がそう叫んだ時、私の腕の中の美子が小さく呟いたのだ。


「美紀ちゃんは……お姉ちゃんなんかじゃない……」


その言葉に、私はさらに強く美子を抱き締めた。


「そうだよね。ありがとう美子。後は私がやるから……」


「美雪、何するつもり?もしも棺桶に入るって言うなら、私が入るからね」


私と美子の会話を聞いていた明日香が、真剣な眼差しを向けている。


それはダメだよ……せっかく生き返る事ができたのに。


「明日香じゃダメなの!私じゃないと、美子は協力してくれない……『カラダ探し』が始まる前に、『赤い人』を見た私じゃなきゃ!」


それが美子が、私をカラダがある場所に誘導してくれた理由。