「呪い」が解けるかどうか分からない。


そして、解けたとしたら、どんな変化が訪れるか分からない。


分からない事だらけで「呪い」に立ち向かう事も不安になる。


椅子に座り、ハムエッグを口に運びながら、昨夜分かった事を私は整理していた。














「じゃあ……お母さん、行ってきます」


「いってらっしゃい。気をつけてね」


玄関を出た私は、いつもと同じように玄関先にいる翔太に視線を向けた。


「おはよう翔太。生産棟は調べる事ができた?」


「ああ、おはよう。カラダを棺桶に納めたのは美雪か?また少し変化があったけど」


「うん……とりあえず歩きながら話そう。分かった事はいっぱいあるし……」


翔太と一緒に歩く通学路……何度も歩いているけど、「カラダ探し」が終われば、一日も一緒に歩いた事にはならないんだよね。


まだ来ていない日の思い出を持ったまま、前の日に戻る。


誰かが死んで「カラダ探し」が終われば、棺桶に入った人間の存在を、死んだ人は消去されてしまう。