最後のひとつを納めてから、美紀の「呪い」を解くための戦いが始まる。


それが、美子に教えてもらった私にしかできない事。


そう考えて、フウッとため息を吐いた瞬間……私は左腕をつかまれて、グイッと強引に後方に引っ張られてしまったのだ。


突然の出来事に、何が起こったか分からず、引っ張る力の方を振り返ってしまう私。











「相島ぁっ!!高広はどこにいやがる!!」








「ねえ……赤いのちょうだい」












袴田……私も「赤い人」を見たって知ってるはずなのに……。


ドンッ!と、胸に強い衝撃が走る。


私と袴田の間に現れた「赤い人」の腕が……私の心臓を貫いたのだ。


「チッ!結子……だましやがったのか!?」


私が倒れるより早く、つかんでいた腕を放して走り出した袴田。


目の前の「赤い人」は……さっきまでの美子ではなく、死の象徴とも言える悪霊……。


心臓も潰された私に抗う術などなく……床に崩れ落ちるまでに、「赤い人」に身体をバラバラにちぎられて。












どうか……今日はもうカラダを見つけないでと祈りながら床に倒れた時、私は死んだ。