ここまで来て、オロオロとうろたえる留美子。


「嘘でしょ?」と言わんばかりに、私の腕をつかんで揺する。


「脅かすわけじゃないんだけどね……理恵も私も、何もできなかったよね?」


「うん……高広が殺されて、すぐに殺されたもん。まだ残ってるよ、腕が刺さった感覚が」


理恵が、「赤い人」の腕にに貫かれたその部分を指差して見せる。


私も大体その位置……つまり、心臓を的確に狙って突いているのだ。


倒れた高広だって、背中から心臓を狙われたんだと思う。


「『私はつかんで赤を出す』だね……私達の心臓も、そうだったのかも」


私を貫いた真っ赤な腕を見て、すぐに死んでしまったからわからないけど、心臓をつかんで出されたのかもしれない。


「ちょっと、やめてよね! ただでさえ不安なのにさ」


その言葉の通り、本当に不安になっているのだろう。


私の腕をつかむ留美子の手が、さっきからずっと震えている。


今夜の「カラダ探し」をどうするかは、翔太のひらめきにかかっていた。



そして、しばらく時間が経った。だけど翔太は相変わらず考え込んだまま。


一体何を考えているのか、口に出してくれないと私達にはわからない。