いつものように歯を磨いて、洗顔して、パンを焼き、マヨネーズを塗って家を出た。


探していた携帯電話は、制服のポケットの中に入っていて……部屋の見える所を探してもないわけだ。


玄関の前で、パンをかじりながら、私は高広を待っていた。


いつも高広が来る時間よりも、5分は早い。


それでも、パンを食べている私にとってはちょうど良い時間だ。


「カラダ探し」の事は、皆と話をしてみないとわからない。


後ひとつ、遥の頭部を見つける事ができれば、私達はこの長かった「昨日」から抜け出して、普通の生活に戻る事ができるのだ。


でも、その最後のひとつがどこにあるのか。


私の予想では、理科室の人体模型や、家政学室のマネキンの頭部が入れ替わってたりしてるんじゃないかとか思うんだけど……。


理科室は高広達が調べたし、生産棟の二階にある家政学室は、理恵が調べたはず。


そんな事を考えていると、いつものように高広が走って来る姿が見えた。


ちょうどパンを食べ終わったところで、タイミングはバッチリ。


道路に出た私は、駆け寄ってくる高広に手を振った。


「おはよう。いよいよ後ひとつだね」