皆、保育園から遥を知っている。


遥とは一体誰なのか、私にはわからなかった。



学校に向かう途中で理恵と合流し、遥の事を話すと、理恵もまた私達と同じ事を言った。


私と高広、理恵は保育園からずっと一緒だから、話が同じなのはわかるけど。


留美子と話が食い違っているのが気になる。


そして、いつも猫が飛び出して来る場所に差しかかったけれど……そこに猫はいなかったのだ。


「猫、いないね。やっぱり『昨日』が変わってるんだね」


なんだか寂しそうに、猫の姿を探す理恵。


最初は車にひかれて死んだ猫も、次には留美子に寄ってきた。


どこに消えたのかはわからないけど、死ぬよりはマシだと理恵も思ったみたいだ。


その後、学校に着いた私達が玄関で靴を履き替えていると、珍しく翔太がやってきたのだ。


「あれ? 翔太、珍しいね。私達をお出迎え?」


そんな冗談を翔太に言う留美子。


でも、なんだかそんな雰囲気ではなさそうだ。


「皆が来るのを待ってたぞ。なんだか様子がおかしいんだ」


翔太が言っている事と、この「昨日」が変わった事とは違うだろうか?