留美子と合流して、私達が知らない3人の、昨夜の状況を聞いていた。


「もうね、大変だったんだから! 『赤い人』を翔太が引き付けて、ずっと逃げ続けてくれたんだけど……私は途中で健司に会っちゃってさ」


そして、あの階段で殺された。


留美子の亡骸を見た私達は、それを知っている。


「それで、どこまで教室を調べる事ができたの? こっちは工業棟と、西棟、東棟の一階は終わったよ」


まあ、ほとんど高広が調べてくれたんだけど。


「マジで? じゃあ……残ってるのは、東棟の二階から上と、生産棟の一階と、二階の少しかな? 終わりが見えてきたじゃん」


確かに、そうやって聞くと、残り少なく思えるけど……今日一日で終わらせる事ができるかどうか。


分かれて探すべきか、かたまって探すべきかは、皆の意見を聞いて、翔太が決めるはず。


「そう言えばよ……俺、妙な校内放送聞いたんだけどよ」


「妙な校内放送? なにそれ。あの校内放送自体が妙なんだけど」


留美子が小さく首をかしげてたずねるけど、高広が聞いたという妙な校内放送の内容は気になる。


「それがよ……『赤い人』がどこに現れたと思う? 旧校舎だぜ、旧校舎。どうやって行けっていうんだよ。なぁ?」