何もしていないと、時間が経つのが遅く感じる……。


死刑囚が、死刑を執行される前は、こんな気分なのだろうか?


楽しい事を待っている時も、時間が経つのが遅く感じるけれど……。


それとはまったく逆の心境だ。


イライラして、何かに当たりたくなるような衝動。


生理の時の何倍もイラつく。



「何で私なのよ!! 他の人でも良かったでしょ!!」


どうせ……「赤い人」に殺されたら、また同じ日が繰り返されるんでしょ!!


その思いが、私を奇行に走らせた。





「もう嫌! こんな物……こうして……こうやって!!」


そう叫びなから、布団の生地を破り、中から羽毛を引き出して部屋にばらまいた。


枕にもはさみを突き立てて、そして思いっきり引き裂く。


その中の羽毛を上に放り投げて……ヒラヒラと落ちる羽根を見ながら、涙を流した。


「はは……今日は……メールが来なかったじゃん……」


羽毛が散乱した床を歩いて、時計の前に来た時だった。


0時を告げる、ピピッという電子音が鳴り……。





気づけば、私達6人はまた、学校の玄関の前にいた。


そこにいた皆、それぞれの感情を爆発させたのだろうか。


理恵と留美子は泣いていて、翔太はイラついている様子。


健司はよくわからないけれど、今日も大の字で寝ている高広は、さすがとしか言いようがない。