今までとは違う、私を名指しする校内放送に……背筋が凍り付く程の恐怖を感じた。


私の身体に突き刺さる、痛いほど冷たい空気。


なめ回すように、ねっとりと絡み付く不気味な視線を背中に感じる。


確実に、私の背後に「赤い人」がいる……。


怖い……。


怖過ぎて、身動きが取れない。


どうして私を名指ししたの?


もしかして、放送室に入ろうとしたから、中の人が、「赤い人」を呼び寄せたの?


呼び寄せた……?


「赤い人」は、放送室にいる人が、指定した場所に行くの?


そもそも、放送室の中には、本当に人がいるの?


考える事はいっぱいあるのに、背後にいる「赤い人」が怖くて……考えがまとまらない。


そんな事を考えている間にも、すでに腕が腹部に回されて、歌が唄われている。


このまま、何もしなければ、私は殺されてしまう。


歌も、もうすぐ終わる。


私の力では、「赤い人を引きはがす事はできない。


だったら……やる事はひとつ。