もしも、このまま夜になって、「カラダ探し」の最中にも喧嘩を始めたら……。


協力どころか、良くてバラバラに動く。


悪ければ、お互いに足の引っ張り合いになる可能性があるから。


せめて、私達女子だけでも仲良くしないと、無駄に死と「今日」を繰り返すだけになってしまう。


そして、長引けば長引くほど、皆の精神状態は悪くなる。


授業中の今でさえ、3人の険悪なムードが態度に表れているのだ。


高広は授業中にも関わらず、ふたりを交互ににらみ付けているし、健司は無視をするように机に伏せて寝ているし……。


翔太なんかは、何事も無かったかのように、ノートを取っている。


そして、遥はと言うと……今日も、視線を向けると、身体は前を向いたままで、頭だけが回ってこちらを向く。


無表情で、どこを見ているかわからないような瞳で……。


よせば良いとわかっているのに、つい気になって見てしまうのだ。


そうして、遥の対策が何も話し合われないまま、昼休みが訪れようとしていた。


「明日香も理恵も、今日はどうする? もうすぐ遥が来る時間だけど……」


昼休みになり、「あの時」が迫っているというのに、男子3人は話し合おうともしない。