私の仕事は嵐のように忙しく、ハピーズ飯崎店と南沢町店を行ったり来たり。
クリスマスからお正月、この時期は毎年こうなるのだった。
私が、やっと落ちついて休みをとれる頃には、1月10日になっていた。
仕事に追われて忙しい日々は、でも助かる。
他のことを考えなくてすむから。
佐倉くんは1月末には日本を発つようだった。
バイトのメンバーには自ら伝えたらしく、
皆気をつかっているのか、それに関して私に尋ねてくる者はなかった。
佐倉くんとは、あれからずっと平行線。
前進も後退もない。
私と佐倉くんの間には、見えない膜のようなものがあるんだと思う。
私は、それを破れなかった。
だから、彼は一人でどんどん先へ歩いていってしまう。
追いかけるより諦めるほうが、ずっと楽だった。
ずっと、楽なはずだ…。