首からぶら下げたカードで従業員用の入り口を通り、そこに立つ警備員のお兄さんに「お疲れさまです」と言って、
エレベーターまでの真っすぐな通路を歩いた。




疎らに擦れ違う人々は、ハピーズ飯崎店に入っている190以上の店舗のどこかで働く人々。


皆、一日の仕事を終えて足早に帰宅を急いでいる。






エレベーターで三階まで行き、従業員用の通路から店内へ出る。



昼間はお客さんで賑わう店内だが、照明は僅かについているだけで既にエスカレーターも停止していた。


この時間に店内で仕事をしているのは、一階のスーパーマーケットと映画館、閉店後の清掃スタッフくらいだろう。




昼間の騒がしさが嘘のような、静けさの中を『みかづき屋』まで突き進む。




店の近くまで来ると、『みかづき屋』の明かりはついたままになっていた。


消し忘れ、というのは時々あることだ。


私は、うっかりしてたんだなぁ…、くらいにしか思わなかった。