「梓月。」
「え?」
「脱げよ。」
「えぇぇぇーー!!?」
大声を上げて驚く梓月。
「な、そ、千早!それは、まだ、なんつーか…やっぱちゃんと段階を踏んで、だな…。」
「…は?何言ってんだ?早く洗濯しねぇとマズいだろ?」
「……へ?」
しどろもどろとしていた梓月は、目を丸くして固まってしまった。
「あ…あ、あぁ。そういうことか………。」
「?」
俺には、さっぱり訳が分からない。
ここに住んでる奴は、どいつも、こいつも、変な奴ばっかだな。
しかし、この時。
梓月の中に芽生えた感情に、俺は気づいてすらいなかった―――…。