「リョウ、そんなこと言わないでください。今日から一緒に暮らすんですから。」
メシに夢中な新入りのフードに、香住は手をかけた。
そして、それをゆっくりと剥ぎ取る。
瞬間、その顔を見て、俺は固まった。
ボサボサの金色の髪、
綺麗な顔立ち。
「――今日から僕らと一緒に生活する、花本千早くんです。」
スペアリブを野性的に噛みちぎる姿は、獰猛な肉食獣のようだ。
指先の油を舐めとる赤い舌、
真っすぐな瞳が俺を見据える。
「桜子サマ好みの、美少年でしょう?」
香住の言葉が、遠くなってしまった気がした。
美少年じゃねぇよ、美少女だ――。
俺は軽い眩暈を感じている――………。