一度そんな事を考えはじめると、俺のテンションはどんどん落ちていった。
プールサイドのテラス、
椅子に腰を下ろして水面を見つめていた。
眩しいほどに照りつく太陽、光が反射するプール。
立ちこめる花の匂いに酔ってしまいそうだ。
「食い過ぎたか?」
その声に顔を上げると、壱が立っていた。
太陽を背負う壱に目が眩む。
「…皆は?」
「捕まってるよ。」
壱の視線の先に目をやると、会場の中で人だかりが出来ている所が3つ。
どうやら、セレブな奥様やお嬢様に捕まっているらしい。
「俺も逃げてくるのに苦労したよ。」
「…美男子は大変だな。」
「お前だってそうだろ。」
「…………。」
俺は…男じゃねぇから。
それを口にはしなかったけど、壱には俺の言いたいことが分かったようだ。