たとえば、捨てられている野良犬がいるとする。
「ジン!起きてっ!」
そのまま通り過ぎてしまえばいい、
「…うーん……。」
なのに目が合ってしまった。
「起きろっての!仕事遅刻するよっ!」
その、たった一瞬。
「んー…ツバサちゃん、チュー……。」
目と目が合った瞬間に、何ていうか……
「アホかっ!!」
運命的なものを感じたとしよう。
「…チュー!」
まるで、
電流が身体を駆け抜けていくように。
「…私も遅刻するでしょっ!早くっ!」
それは、もう引力に引かれていると言ってもいい。
「チュー!」
「…ネズミかっ!?」
「…………。」
「………あぁ!もうっ!」
そして、それは少し恋と似ている気がする。
「…知らないからね。遅刻したって。」
今にして思えば、
二人の出会いも、きっとそう。
「たまには、そんな日もいいんじゃない?」
目と目が合った瞬間に、
私はキミに落ちてしまったんだろう。
「愛してるよ。ご主人サマ。」
「………ばか。」
逃がさないで、
この あまい檻から。
私は永遠に囚われていたい。
ここが、私の居場所、
キミの居場所。
「だいすき――…。」
ありったけの愛で、
ありきたりな毎日を、
笑い合って生きてゆこう――………。
はじめましての方も、
そうでない方も、
こんにちは!
水野ユーリです。
『あまい檻‐キミ、飼育中。‐』を最後まで読んでくださって、
ありがとうございます。
何とか、完結させることが出来ました(汗)
今回は、“とにかく甘々に!”という一つの目標があったのですが……いやぁ、難しかった!
甘い作品が書ける作家さまを心から尊敬します。
そして、自分の予想より長くなりました(!)
まさかの200ページ越え(汗)
なかなか思い通りに動いてくれない翼と仁に四苦八苦したり、反省ばかりです。
また、仁は私の理想と妄想を120%詰め込んだキャラクターで、完全に自己満足が暴走しています。
それでも、連載を追いかけてくださった方々、
温かい感想をくださった皆さま。
拙い作品にも関わらず、
読んでくださった全ての方々に感謝です。
本当にありがとうございました。
2010年11月26日
すべての読者さまに
愛をこめて(←え、いらない?)
水野ユーリ