「いってぇーーっ!」
ジンは後頭部を擦りながら叫んだ。
一方、私は両手で顔を覆ったまま、意味もなくリビングをグルグルと徘徊する。
言えない!言えない!
言えるわけない!
「私にキスして」、なんて言えるわけねぇじゃん!!
その時、部屋のインターホンが鳴った。
ッ!もう!こんな時にっ!
訪ねてくるのなんて観月さんくらいだ!この前、来たばかりなのに。
インターホンを手に取り、モニターに映る人物を確認する。
しかし、そこに映っていたのは観月さんではなくて。
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