「アイツ、マジ死ねばいいのに!!」


美帆は、吐き捨てるように言った。

ファーストフード店で、ポテトを食べながら眉間に皺を寄せる。



「まぁ、まぁ。」



あたしは、美帆を宥めながらポテトを口に入れる。


二人で一つのポテト。




金のない女子高生であるあたし達にとって、変な話、ポテトは身近な高級品だった。






「もう!なんで人生って、うまくいかないの〜。」


美帆は、テーブルに突っ伏してしまう。






8月、
外の暑さとは対照的に店内は冷房により涼しく、あたしは窓ガラスの向こうを忙しなく行き交う人々を眺めていた。







夏休みに入ってすぐ、美帆は立花くんとケンカをしたらしい。




女子も男子も入り混じって遊びに行ってしまう彼氏……美帆には、それはもう、グループデートにしか見えないようだ。





それについて二人は口論となり、ついでに立花くんは言ったそうだ。



美帆は嫉妬深くて束縛が激しすぎる、と。


うんざりする、とまで。








それで、美帆はすっかりこの調子。