湿った空気の中で、外は雨が降っていた。
夕焼けもない空は、グレー、グレー。
傘なんて、持っていないのに。
朝は、というより、さっきまであんなに晴れていたのに。
あたしは早々に諦めて、雨の降る校庭を歩きだした。
校庭では、突然の雨に慌ただしく撤収作業が行われている。
屋台の焼きそば、多くのテーブルと椅子…………。
あたしは、ぼーっと歩いている。
少しの冷静さもない頭で、何かを考える気にはなれなかった。
ざぁっと、ハデな雨。
バカみたい。
漠然と、このままどこか遠くへ行けたらいいのに、と思った。
ほんと、漠然と。
「エリー!!」
後ろから腕を引かれ、誰かと思えばモモがいる。