額に衝撃、ジンジンと広がる痛み。
一瞬、何が起こったのか分からなかった。
だが、笑い転げるヒメを見て理解する。
……唇が触れる3秒前、俺が瞳を閉じた瞬間。
ヒメは頭突きをしたのだ。
……つか、何で頭突き?
未だ、笑い転げるヒメ。
一人でツボにハマっちゃってるし…。
俺が額を押さえながらうなだれていると、ヒメは再び俺にまとわりつく。
「あー、面白かった!」
「いや、面白くねぇから。」
ぼそっとツッコむ俺に、「ねぇ、カズキぃ」と言ってニコニコしているヒメ。
……嫌な予感がする。
「ねぇ、カズキぃ」から始まるのは、いつもロクな事じゃない。
そして、俺の予想通りヒメはさらりと言ってのけた。