あの日と同じようにセミが大きな声で鳴いている。
深い緑に染まった樹の葉の間から降り注ぐ太陽が気持ち良い。
こんな気分は久々だ。
「田舎最高ー」
「うわー、都会人ぶってんなよ」
ふたりの楽しそうな笑い声が裏山に響いた。
「そういえば、私ずっと聞きたかったことがあるんだけど」
「なに?」
「悠太が、最期に言ってた『約束』。あれって何だったの?」
悠太が、最後にどうしても陸に伝えたかった言葉……。
なんとなくずっと聞けないでいた。
「……」
――『陸……あの約束、もう守らなくていいからな』
突然の質問に驚いた陸が、少し考えてから笑って言った。
「……秘密!」
「えーっ!? 教えてよ!!」
「いーやっ、男同士の秘密!」
「わぁ、気持ち悪―い。けちっ」
余裕の笑顔を見せる陸の後姿に向かって叫んでやった。
この光景を悠太が見たら『相変わらずだな』って笑ってくれるかな?
ふと前を見ると真っ青な空を見上げながら陸が微笑んでいる。
「……どうしたの?」
怪訝な顔で覗き込む。
深い緑に染まった樹の葉の間から降り注ぐ太陽が気持ち良い。
こんな気分は久々だ。
「田舎最高ー」
「うわー、都会人ぶってんなよ」
ふたりの楽しそうな笑い声が裏山に響いた。
「そういえば、私ずっと聞きたかったことがあるんだけど」
「なに?」
「悠太が、最期に言ってた『約束』。あれって何だったの?」
悠太が、最後にどうしても陸に伝えたかった言葉……。
なんとなくずっと聞けないでいた。
「……」
――『陸……あの約束、もう守らなくていいからな』
突然の質問に驚いた陸が、少し考えてから笑って言った。
「……秘密!」
「えーっ!? 教えてよ!!」
「いーやっ、男同士の秘密!」
「わぁ、気持ち悪―い。けちっ」
余裕の笑顔を見せる陸の後姿に向かって叫んでやった。
この光景を悠太が見たら『相変わらずだな』って笑ってくれるかな?
ふと前を見ると真っ青な空を見上げながら陸が微笑んでいる。
「……どうしたの?」
怪訝な顔で覗き込む。