中学の紫色のハーフパンツのジャージに、懸賞で当たった白のTシャツという情けない姿のまま、陸に背中を押され玄関へと連れ出された。

お兄ちゃんのデカいサンダルを履いて、商店街のメインストリートに出る。


あくびが止まらない……。


「眠……」


朝の風から、かすかに夏の匂いがした。