照明もついていないというのに、教室は明るかった。
窓から差し込む月明かりが机や教卓を照らしている。
そういえば、今夜は満月だ。
廊下の暗さに目が慣れていたから余計にそう見えるのかもしれないけど。
月明かりだけでもこんなに明るいんだ……ってちょっと感動するぐらいだった。
教室の奥。
カーテンが開いた窓辺に立っていた人が振り返った。
「もー。びっくりさせんなやー! 幽霊でも出たかと思ったやん」
両腕を擦りながら冗談っぽく笑うのは
……やっぱり、イッペー君。
「先生、やっぱりここに隠れてたんだ」
「なんやねん、お前-。見つけんなっつーの」ってクスクス笑う。
「人がせっかく感傷に浸ってんのに、邪魔するし」
「え……邪魔だった?」
泣きそうになって「ごめんなさい」と呟いて、ドアを閉めようと手をかけた。
「あー、もぉ。ええって。ええって」
そして「しゃーないなぁ」と髪をかきあげ
にっこり微笑んで言ってくれた。
「おいで」って。
窓から差し込む月明かりが机や教卓を照らしている。
そういえば、今夜は満月だ。
廊下の暗さに目が慣れていたから余計にそう見えるのかもしれないけど。
月明かりだけでもこんなに明るいんだ……ってちょっと感動するぐらいだった。
教室の奥。
カーテンが開いた窓辺に立っていた人が振り返った。
「もー。びっくりさせんなやー! 幽霊でも出たかと思ったやん」
両腕を擦りながら冗談っぽく笑うのは
……やっぱり、イッペー君。
「先生、やっぱりここに隠れてたんだ」
「なんやねん、お前-。見つけんなっつーの」ってクスクス笑う。
「人がせっかく感傷に浸ってんのに、邪魔するし」
「え……邪魔だった?」
泣きそうになって「ごめんなさい」と呟いて、ドアを閉めようと手をかけた。
「あー、もぉ。ええって。ええって」
そして「しゃーないなぁ」と髪をかきあげ
にっこり微笑んで言ってくれた。
「おいで」って。