向かったのは東校舎。


照明が消されている校舎内は、非常灯が足元を照らしているだけだった。

薄暗い廊下に、ヒタヒタと自分の足音だけが響く。

な……なんかすごく怖いんですけど……。


それでも足を進める。


もしかしたらイッペー君はあそこにいるんじゃないか。

そんな気がしたから。


目的の場所で足を止めた。

そこは、空き教室。

以前、イッペー君が居眠りしてた場所。


あの時、イッペー君はこの教室で、文化祭の思い出を語ってくれた。

思い過ごしかもしれないけど。

今日も一人でここにいるような気がしたんだ。