――ガチャ、ガチャン!!



すぐ後ろの教室から、大きな物音が聞こえてきた。

まるでイスや机が倒れでもしたような、そんな音。


そこは空き教室。

こんなところに誰かいるの?


ドアに近づいてみるものの、きっちりと鍵がかかっている。

そりゃそうだよね。

空き教室は生徒が勝手に入らないように、いつも閉じられているから。


ドアの小窓から中を覗いてみるものの、誰の姿も見えなかった。


気のせいだったのかな……。

そう思ってドアから離れようとした時……


「――はぁ……」


誰かのため息?


さらには、カサカサと何かが動いているような音がかすかに聞こえる。

やっぱり、誰かいるんだ。


あたしは教室の後ろ側にあるドアの方に向かった。