国語準備室にはイッペー君も合わせて10人ぐらいはいた。


狭い部屋がさらに窮屈になってる。

放課後のここはいつもこんな感じでにぎやかだ。

みんなイッペー君を慕って、用もないのに集まる。



「何してんの?」


芙美の問いかけに、イッペー君はしれっと答える。


「餅食ってんですけど」


イスをキコキコ鳴らしながら、ビヨーン……って、口に入れたお餅を伸ばしてるし。

相変わらずマイペースだな。


「や、それは見ればわかるって。なぜにここで? そしてなんで今?」



「はいはーい! オレが持ってきたからでーす!」


シャキっと立ち上がって手を上げたのは木村君。

さっきの雪合戦で、最後の一撃をイッペー君にお見舞いした男の子。