黒いオオカミ茶色いうさぎ


翼:(モノローグ)「一ノ瀬くんに俺のことだけ見てって言われてからアタマの中あの人でいっぱい。でも、本当に私なんかでいいのかな……。だって前の学校でもきっとすごくモテてただろうし」
(ガラッと教室のドアが開き、依頼紙が入ってくる)
白石:「あ、星野…残ってたんだ」
翼:「あ、白石くん。うん、ちょっと考え事してて」
白石:「……一ノ瀬のこと?」
翼:「え!?なんでわかったの…?」
白石:「いや、わかりやすすぎるっていうか、あいつ、学校ではチャラチャラしてるけど、星野見る時だけ目が本気だからさ。実は俺、中学の時一ノ瀬と同じ塾だったんだよね」
翼:「え…?そうだったの!?」
(白石、少し真面目な顔になっていく)
白石:「あいつ、中学の時は誰とも群れないし、いつもピリピリでさ。だから、今のチャラいキャラは、高校で無理して作ってる仮面だと思う。」
翼:(モノローグ)「無理して作ってる仮面……?誰とも群れなかった一ノ瀬くんがどうして今の姿に…?」
(そこへ、廊下から強い足音が響き、勢いよくドアが開く)
蓮:「……そこまでだ。人の過去勝手に喋るのやめてくれない?」
(蓮が立っている。その表情は、いつもの絵が青が完全に消えふせ、冷徹な怒りを孕んでいる)
翼:「一ノ瀬、くん……?」
蓮:「白石、お前さ……俺の彼女に手出そうとしてるわけ?」
(蓮、白石の胸ぐらを掴むような勢いで、一歩踏み出し、翼の前に多賀肌かる。その背中は恐ろしいほどの威圧感を放っていた。)