黒いオオカミ茶色いうさぎ

白石:「……悪かったよ。別に邪魔するつもりはないから」
(白石、蓮のただならぬ気迫に圧倒され、両手を軽くあげながら出ていく)(ガラガラ、と静かに閉まるドアの音。教室には2人きりの張り詰めた空気感が残る)
翼:「一ノ瀬くん、あの話って…?」
蓮:「………」
(蓮、無言のまま翼に近づく。いつもの雰囲気や、笑顔がない)
(ドン!っと、蓮が翼の背後の壁に両手をつき翼を完全に閉じ込める)
翼:「っ……!」
蓮:「聞いたんだ、昔のこと。……幻滅した?」
翼:「え?ううん、そんなこと……」
蓮:「俺は嘘つきだよ。チャラチャラしてて、誰にでも優しくて。………そうでもしないと、誰も俺の近くにいてくれないと思ったから。でもね」
(蓮、翼の方に額を預けるようにガクリと肩を落とす。その声は妙に震えている)
蓮:「翼ちゃんにだけは、そんな嘘の仮面じゃなくて本当の俺を見てくれた。だから…他のやつに俺の過去を話されるのも、翼ちゃんが他の男と話してるのを見ると、心が…なんだかズキってしちゃうの。だから、もう……」
(蓮、ゆっくりと顔をあげ、切ない眼差しで翼を見つめたあと、引き寄せるようにして優しく唇を重ねる。驚く翼を逃がさないように、そのまま深く、甘くキスをする)