(男子生徒が去った後、教室のチャイムが鳴る)
翼:(モノローグ)「……? 今、一瞬だけ空気感が凍ったような気が……」
(翼がおそるおそる後ろを振り返ると蓮は、いつものチャラい笑顔に戻っている。)
蓮:「あ、チャイムなっちゃった。じゃあね。翼ちゃん、また休み時間」
(蓮、ひらひらと手を振って自分の席に戻っていく)
【放課後・図書室】
(静かな図書室。翼は1人で委員会のプリントを整理している。)
翼:(モノローグ)「よしこれで今日の分の仕事は終わり。早く帰って寝よ。」
(立ち上がった瞬間、図書室の入り口のドアが静かに開き、蓮が入ってくる。)
翼:「えっ……蓮くん何でここに?」
蓮:「やっと2人きりになれた」
(蓮、いつもの軽い口調とは全然違う。低く、落ち着いた声でささやく)
(蓮、まっすぐ翼に向かって歩いてきて、翼の目の前で足を止める)
翼:「え、ちょっと、どうしたの……?」
(蓮、翼の机に、とんと両手を突き翼を閉じ込めるように顔を近づける。その目は朝のチャラい男のものとは思えないほど、真剣で鋭い)
蓮:「……朝の男、誰?名前は?」
翼:「え?あ、隣のクラスの委員会の白石とおるくん」
蓮:「ふーん、翼ちゃん、あいつと話してる時、すごく楽しそうに笑うんだね」
翼:「な、何怒ってるの……?私が誰と話そうがーノ瀬くんには関係なっ……」
(蓮、さらにぐっと顔を近づける)
蓮:「関係あるよ……俺、翼ちゃんに気に入られたくてわざわざこの学校来たんだから」
翼:「え……?えっ……?!?」
蓮:「だから……俺の言うこと聞いてくれる?あんま、しゃべってほしく、ない、からいい、かな?」
翼:「わかった、わかったから……っ」
(大赤面してフリーズする翼を見て蓮が満足そうに微笑む)
蓮:「そっか、よかったじゃあ、今日はもう遅いから今日は一緒に帰る?」
翼:「……っ〜っ!!」
(翼、限界を迎えてカバンを掴んで猛ダッシュで図書室を飛び出す)
蓮:「あ、コラ待ってってば!」
翼:(モノローグ)「無理無理無理!これ以上一緒にいたら、心臓が爆発する……!」
