今日はアイツの葬式。
アイツは元々病気だったらしい。しかも治らないやつ。
3ヶ月前、医師に「もって後3ヶ月でしょう」と言われていたらしい。
アイツは「それなら学校に通う」と、きかなかったらしい。
あちこちから
「尚人…ッ」
とアイツの名前を呼ぶ声が聞こえる。
アイツは人から好かれたから、葬式にだってたくさんの人が来てる。
女子も男子もアイツが好きだった。
アイツはよく笑って、ノリが良くて、優しくて。
盛り上げ上手で、気遣いができて、思いやりがあって。頭もいいし、運動神経もいい。
顔も良くて何でもできるのに、それを自慢することもない。
ここまで完璧な人がいるのか、と周りに言われているのをよく聞く。
俺はアイツの弱いところも秘密も全部知ってるから、そんな風には思わないけど。
最後に見たアイツの顔は、いつもより白かった。
涙なんて出なかった。
別にただ一緒にいただけだからだ。
家も近くて、部活も一緒。
必然的にアイツと一緒にいる時間が長くなるのだから仕方ない。
『またそんなこと言ってさー、真央も俺のこと好きだろ?』
そんなこと思っていたら、またアイツにこう言われてしまうかもしれない。
『真央ー、アイス食べよ』
『真央!待ってよー!』
『真央ー?おねむですか〜?俺の膝空いてますよ〜』
何が楽しいのかアイツはいつも笑っていた。
『もう!真央のせいで怒られたじゃん!』
『真央〜っ、やだ〜っ』
『行かないで、真央』
あぁ、でも感情がよく分かるやつだった。
ころころ表情が変わって面白いやつだ。
俺もなんやかんや他の友達よりもアイツを優先していた。
