初めて食べる喜びに、子供そのままにはしゃぐアフディー様。
そんな笑顔を見て、アロンの心に明るく和むような気持ちが生まれると、彼から自然と言葉がこぼれ落ちるのでした。
「なあ。……天上界ってのは、その、やっぱり楽しい所なのか?」
アフディー様は、口元についたお芋を指で拭うと、少しだけ遠くを見つめました。
「……そうね。あそこは、何一つ不自由のない場所よ。永遠に続く美しい音楽と、甘い蜜」
そんな言葉を初めは続けられましたが、次第に現実の今と比べてしまいます。
「……でも、そこには不幸がないの」
「えっ? 不幸がないのか? 良いことばかりじゃん」
アロンが驚いて身を乗り出すと、アフディー様は切なげに、手にもつお芋を見つめ微笑みました。
「ええ、でもね、アロン。不幸がないということは、本当の幸せを知らないの。こうして誰かとお芋を分け合って、『美味しい』と笑い合う喜びも、あそこにはないということなのよ」
アロンはその言葉の重みを、全て受け止めることはできませんでした。
しかし彼は、自分が見上げている空の上が、想像していたよりもずっと「冷たくて、寂しい場所」なのだと、理解します。
横に座るアフディー様も、そんな天上界にいるより、このまま、この町で、ずっとそばで暮らせばいいと願ってしまいます。
自分の掌にあるお芋の温かさを確かめるように、それをぎゅっと握りしめます。
そんな笑顔を見て、アロンの心に明るく和むような気持ちが生まれると、彼から自然と言葉がこぼれ落ちるのでした。
「なあ。……天上界ってのは、その、やっぱり楽しい所なのか?」
アフディー様は、口元についたお芋を指で拭うと、少しだけ遠くを見つめました。
「……そうね。あそこは、何一つ不自由のない場所よ。永遠に続く美しい音楽と、甘い蜜」
そんな言葉を初めは続けられましたが、次第に現実の今と比べてしまいます。
「……でも、そこには不幸がないの」
「えっ? 不幸がないのか? 良いことばかりじゃん」
アロンが驚いて身を乗り出すと、アフディー様は切なげに、手にもつお芋を見つめ微笑みました。
「ええ、でもね、アロン。不幸がないということは、本当の幸せを知らないの。こうして誰かとお芋を分け合って、『美味しい』と笑い合う喜びも、あそこにはないということなのよ」
アロンはその言葉の重みを、全て受け止めることはできませんでした。
しかし彼は、自分が見上げている空の上が、想像していたよりもずっと「冷たくて、寂しい場所」なのだと、理解します。
横に座るアフディー様も、そんな天上界にいるより、このまま、この町で、ずっとそばで暮らせばいいと願ってしまいます。
自分の掌にあるお芋の温かさを確かめるように、それをぎゅっと握りしめます。



