天界物語①『女神アフディーの初恋』

 その瞬間。空からすごい勢いでトンビが急降下。

 驚く様な早いスピードで「さよならを告げるカタツムリ」を咥え飛び去ってきます。
 それを見上げるアフディー様と少年。

 空の彼方では太陽の光に反射したカタツムリが、一点の光を放つと、消えて行きました。

 沈黙が訪れ、草原を吹き抜ける風の音だけが、虚しく響いています。
 少年はポツリと潰やきました。

「サヨナラを告げるって、このことか?」

 問うように視線を向ける少年に、アフディー様はぐうの音も出ない様子で顔を伏せました。

 少年も項垂れ溜息をつくと、一人で森の方へと歩きだします。

「待ちなさい。嘘つきの少年。どこにいくのです」

 少年は落ち着いた声色で、アフディー様にこう伝えました。

「森にいくんだよ。それに俺は嘘つきじゃないぞ。アロンて名前だってあるんだからな」

 アフディー様も歩き出すアロンの横に駆け足で並び、足をそろえ歩き出すと、訳をお聞きになります。

「少年アロンよ。なぜ森にいくのです」

 アロンは森へ向かう道を、真っ直ぐに見つめ歩き続け答えました。