ファンタジーワールドにSFが落ちて来た!

「……これが家なの……?」

 平屋の家に戸惑いを見せていた。

「そうだよ。ただ、この世界の基準で言えば中だね。別の星の記憶があるから清潔にしてあるし、生活に必要なものは揃っている。水と食料もある。ジージーは風呂に入ったりするの?」

「ジリール、水の粒を浴びるわ」

「シャワーだね。お湯に浸かったりはしないんだ」

「する者もいるけど、わたしは、シャワーで済ませているわ」

 星間航法が出来る時代でもシャワーは廃れたりしないんだな。

「女性に不躾なことかもしれないけど、排泄はするの? 一部機械ってことだけど」

「七割は生身だからするわ。食事もするわよ」

「この星と水を飲んだりして大丈夫かな?」

「よほどのものでなければ大丈夫だと思うわ。不純物はケロムが分解してくれるから」

「ナノマシンみたいなものかな? 目に見えない大きさの機械か有機体が何千何万も体の中にいる、みたいな?」

「ええ。おそらく間違ってはいないわ。傷を負ってもすぐに治癒してくれるわ」

「それは治癒力が高いことにしたほうがいいですね。治癒師という存在がいますので。お茶を淹れるので、試しに飲んでみてください」

 ウーロン茶に似た味のお茶を淹れてジージーに出した。

「まずは一口。ムリなら吐いてくれていいからね」

 土足禁止ではない。土なので吐いても問題はない。土を撒いて掃けば綺麗になる。

 茶碗をつかんで口に含んだ。

「……苦いわね……」

「味覚はそう変わりはないか。 甘味、酸味、塩味、苦味、うま味はわかる?」

「ええ。食事は精神を穏やかにするものだから戦艦にいるときは美味しいものを食べていたわ。戦闘中は味気ないものを摂るけどね……」

「長時間戦闘もあるんだ」

「この星の基準なら三日四日は戦闘に徹することもあるわ」

 なかなかキツい戦闘をさせられてんだな。人権ある?

「大きい町に行けば美味しいものも食べられるよ。男一人暮らしだと作るのが面倒になって、食えればいい、ってなっちゃうけどね」

 食に興味はあるけど、ガスも水道もないと作るのが手間でしかない。パンに水って日が続くこともあるよ。

「手持ちの非常食は何日分?」

「約四日ね。節約すれば、だけど……」

 宇宙での戦いはボクが想像するより過酷らしい。食料が切れたら死ぬとかなのかも知れないな……。

「腹の具合はどう? 余裕があるなら食事をどうぞ。大したものはないけどね」

 ぐぅ~とジージーの腹が鳴った。胃は生身ってわけね。

「……お願いするわ……」

「了解」

 買い置きの固パンと干し肉、野菜を煮たスープを出した。

「食事としては下の下だから」

 なんとも微妙な顔をしながらも出したものはすべて食した。