ファンタジーワールドにSFが落ちて来た!

 満足したジージーは、幸せそうに眠りについた。子供か!

 片付けをしたらボクは風呂の用意をする。血の臭いがこびり付いて眠れそうにないよ。

 山から水を引いているので湯船にはすぐに水が溜まり、熱魔法でお湯を沸かした。

 チートな魔力は授からなかったが、いい家に生まれたお陰でそこそこいい魔力は持っている。

 魔法も火属性に長けており、がんばれば鉄を溶かすくらいの熱は生み出せるくらいの才能はあったりするのだ。

 充分チートじゃね? とか言われそうだが、父親はがんばらなくても鉄を溶かすことが出来た。あれを見てチートな妄想は砕けたよ。まあ、チートみたいな魔道具は持っているけど。

 ボクの実家は、鍛冶と錬金術を得意とする名家で、魔剣とかも打ったりする。ただ、それなりの魔剣ともなれば数年は掛かる。一生のうちでも三本が精々だろうな。親父も二本だけ。三本目はボクが途中で砕いてしまいました。

 ま~怒る怒る。ぶん殴られて家から追い出されましたよ。着の身着のままでな。弟が気を利かせて荷物を渡してくれなきゃ野垂れ死にしてたよ。

 知り合いを頼り、そこを出て半年ほどさ迷い、川で砂金を見つけてここに住み着いた。ブッシュクラフトもしたいな~って思ってたからさ。

 ちょっとずつ暮らしをよくしていったら快適になってしまい、砂鉄もあったから剣を打ち、たまに町に行っては剣を金に変える生活を送っていた。

 そんな暮らしも悪くはないと思っていたらSFが空から落ちて来た。まったく、人生とはおもしろいものだ。ファンタジーなワールドでSFな日々を送れそうなんだからな。

「ありゃ、石鹸がないよ」

 試行錯誤で作った石鹸がなくなっていた。ジージーが使い切っちゃったかな? 仕方がない。町に行ったら買うとしよう。作るとしても時間が掛かる。それまで石鹸なしはキツいって。

 今日はお湯を被るだけにし、湯船に入った。

「ふぃ~。いい湯だ」

 前世の記憶がなければこんな気持ちいい湯には入れなかっただろう。なんの奇跡か知らんが、ありがとうございますだ。

 普段は明るいうちに入るのだが、蝋燭の灯りの中入るのもまた悪くない。いつか一緒に入ってくれる人と出会えますように。神様、頼むよ。

「レイ、風呂?」

 お風呂の外からジージーに声を掛けられた。起こしたかな?

「ああ。そうだよ」

「次、入ってもいい?」

 さすがに一緒に入っていい? ではないか。言われたら言われたで困るけどね。

「構わないよ。あ、石鹸ないけど、大丈夫?」

「大丈夫よ。風呂に入れるだけありがたいわ」

 気持ち悪くなって起きたのかな? それとも単に風呂が気に入っただけか?

「今上がるよ。お湯を交換するからちょっと待って」

「そのままで構わないわ。ちょっと熱くしてくれると助かる」

 そういうのは気にしないタイプのようだ。

 湯船から出たらお湯を沸かし、熱風で体を乾かしたら服を着て風呂から出た。ハイ、どうぞ。