見た目(仮)が好きです。

 悠真君が帰ったあと、いつの間にかくしゃくしゃになった進路希望調査書を机の上に置き、ベッドに寝転んだ。
『悠真君、がっかりしただろうな』
 あの言葉の半分は嘘で半分は本当のことだった。
 どうしてそんなことを言ってしまったのかわからないけど、どうしても言いたかった。
 自分が最低な女『だった』ってことをわかって欲しかったのと、『自分の本心を隠す彼に腹が立ってしまった』から。
 自分でもめんどくさい女だと思う。
 彼に話たことの半分は本当のこと、私は人を見た目で判断していた。でも、そんなことを言ったら嫌われると思い、適当に断っていた。
 染谷君にも噂を訂正すると言われたが、それを断った。
 容姿が良いから性格も良いだろうと思われることが多く、本性を知られるのが怖かった私は、八方美人を演じていた。
 誰にも人当たりが良くて、誰にでも優しい自分を。
 でも、染谷君の一件以来私に何かを求めてくることは無くなった。それがとても気持ちよかった。
 自由に生きれた。周りから何も期待されないそんな自由を。
 でも、『彼』と出会ってそれが全部崩れた。
 初めは見た目がタイプだったから近寄った。 でも、彼はそうじゃなかった。
 当初彼は私の目を見てくれていた。
 たまに怪しい時もあるけど、彼に見られてる時は心地良く感じられた。
 いくら転校生とはいえ、私の噂を聞かないわけがないから、気付けば私は彼に恋をしていた。
 そんな大好きな彼を私は突き放してしまった。
 でも、なぜか後悔はしていない。
 彼ならわかってくれる。彼なら受け入れてくれる。彼なら気づいてくれる。
 大袈裟かもしれないけど、私はそう信じているからーーー