五日後には、船堂達の姿かたちも見えなくなり、店長から「顔の腫れがおさまるまで、バイトは休んで」と言われたおれは、自室のベッドに仰向けに寝転がりながら、天井を見ていた。
殴られた痕は、ある程度ひいていたので喋る事に問題は無かったけれど、店長から「一週間は休んでいいから」と釘を刺されたので、従うべきだろう。
着信したスマートフォンを見ると店長からだったので、ベッドの上で起き上がり、床に足をつけ、通話出来るように操作する。
「船堂達のやった事の証拠を集めて、警察に突き出した。これで少しは反省するといいんだけどね」
少し店長と話して、店長は船堂達の狼藉に気づいていない訳では無く、被害に遭った女の子と協力して、船堂達に罪を償わせようとしているらしいと分かり、自分が幼稚な事を思い知った。
「じゃあ、あいつらがこの辺に出入りしなくなったの、店長にとっては不都合が有ったんじゃ……」
「もうほとんど、証拠集めは終わってたから」
船堂達の事では、おれを責めずに「浅黄ちゃんが来なくなったのは、鴇のせいでも有るんだからな」と店長が不満げな声を出す。
「ちゃんと鴇が話をしていれば、また店には来てくれたかもしれないのに……」
「何が有ったのか浅黄から聞いたんじゃないんですか? 浅黄は、おれの顔は見たくないだろうから、もう、店には来ないと思いますよ」
電話越しでも分かるような、大きなため息をついた店長は「あのな」と言葉を続ける。
「船堂達に着いて行った浅黄ちゃんを止められなかったのは、おれに責任が有る。本人が望んでいるように見えても、まだ浅黄ちゃんは子どもなんだから、おれが配慮するべきだった。でも、ちゃんと話せば、あの子は分かってくれるよ。浅黄ちゃんの連絡先教えるから、鴇も謝った方がいいと思う」
店長は「どんな事情が有っても、おれには浅黄ちゃんは女の子にしか見えないし、鴇の事も男にしか見えないよ」と、おれに伝え、「またね」と通話を切る。
直後に通知音がしたスマートフォンを手に持ったまま、店長から送られて来たメッセージに表記された浅黄の連絡先を眺めて、自分が謝るべき相手は浅黄だけじゃないと思った。
殴られた痕は、ある程度ひいていたので喋る事に問題は無かったけれど、店長から「一週間は休んでいいから」と釘を刺されたので、従うべきだろう。
着信したスマートフォンを見ると店長からだったので、ベッドの上で起き上がり、床に足をつけ、通話出来るように操作する。
「船堂達のやった事の証拠を集めて、警察に突き出した。これで少しは反省するといいんだけどね」
少し店長と話して、店長は船堂達の狼藉に気づいていない訳では無く、被害に遭った女の子と協力して、船堂達に罪を償わせようとしているらしいと分かり、自分が幼稚な事を思い知った。
「じゃあ、あいつらがこの辺に出入りしなくなったの、店長にとっては不都合が有ったんじゃ……」
「もうほとんど、証拠集めは終わってたから」
船堂達の事では、おれを責めずに「浅黄ちゃんが来なくなったのは、鴇のせいでも有るんだからな」と店長が不満げな声を出す。
「ちゃんと鴇が話をしていれば、また店には来てくれたかもしれないのに……」
「何が有ったのか浅黄から聞いたんじゃないんですか? 浅黄は、おれの顔は見たくないだろうから、もう、店には来ないと思いますよ」
電話越しでも分かるような、大きなため息をついた店長は「あのな」と言葉を続ける。
「船堂達に着いて行った浅黄ちゃんを止められなかったのは、おれに責任が有る。本人が望んでいるように見えても、まだ浅黄ちゃんは子どもなんだから、おれが配慮するべきだった。でも、ちゃんと話せば、あの子は分かってくれるよ。浅黄ちゃんの連絡先教えるから、鴇も謝った方がいいと思う」
店長は「どんな事情が有っても、おれには浅黄ちゃんは女の子にしか見えないし、鴇の事も男にしか見えないよ」と、おれに伝え、「またね」と通話を切る。
直後に通知音がしたスマートフォンを手に持ったまま、店長から送られて来たメッセージに表記された浅黄の連絡先を眺めて、自分が謝るべき相手は浅黄だけじゃないと思った。
