翌日、専門学校のテラスに向かうと、おれが今まで、砂子と使っていたテーブルと椅子には他の女の子達が座っていた。
女の子達は様々な話をしながら、近くの商店街で買って来たのだろう昼食を食べている。
仕方なく、空いていたベンチに腰掛けて、学校の近所に有るパン屋で買ったベーグルの入った紙袋を膝の上に置く。
砂子が「これ、美味しいんだよ」と笑いながら、よく食べていたのが、この店のベーグルだった。
一度も買おうとしないおれに「人の話に興味を持たないの、もったいないと思うよ」と言ってくれたのも砂子だ。
綺麗な顔の中で、下がった眉毛が、人への関心が無かったおれへの不満を表していたのだと、今なら分かる。
砂子以外、おれの周りには誰も居なかった。
刺すように胸が痛んだけれど、砂子は、もっと傷ついていたのだから、この痛みはとるに足りないと自分に言い聞かせる。
ミルクティーの入ったボトルを手に取って、少し飲む。
自分は甘いものは苦手だと決めつけて、砂子がすすめてくれても飲もうとしなかったブランドのものだけれど、砂子が好きなものなら、どんな味なのか確かめてみれば良かったと思って買ってみた。
「……甘い」
自分の口には合わなくて、小声で呟く。
ベーグルを一口、かじって、思ったより硬くて重い食感だと思った。
生地を茹でてから焼くから、日本で一般的なパンとは食感が違うのだと砂子から聞いた気がする。
人を大事に出来ない人は、誰からも大事にされなくなる。
砂子から言われた事を思い出し、理解してくれない人に人生の貴重な時間を使うのは無駄だと思っていた自分と同じで、今まで付き合って来た彼女も、おれと居る時間を無駄だと感じたのだろうと思い知る。
楽しそうに話していた女の子のグループは、おれに気づいて会話を止めると、途中だった食事を切り上げて、おれを睨んだ。
「砂子が可哀想」
その台詞で、食事をしていた女の子達が砂子の友達だと初めて分かった。
立ち去っていく彼女達の方を見れないまま、自分はひどい奴なんだと痛感した。
小学校の時、おれを馬鹿にした奴らと変わらず、おれは人を外見でしか見れない。
今更、勝手かもしれないけれど、砂子と居た時が誰と居た時より楽しかったのだと自覚して、もっと砂子を大事にすれば良かったと思えば思う程、砂子を傷つけていた自分自身を、殺したいほど憎いと思った。
女の子達は様々な話をしながら、近くの商店街で買って来たのだろう昼食を食べている。
仕方なく、空いていたベンチに腰掛けて、学校の近所に有るパン屋で買ったベーグルの入った紙袋を膝の上に置く。
砂子が「これ、美味しいんだよ」と笑いながら、よく食べていたのが、この店のベーグルだった。
一度も買おうとしないおれに「人の話に興味を持たないの、もったいないと思うよ」と言ってくれたのも砂子だ。
綺麗な顔の中で、下がった眉毛が、人への関心が無かったおれへの不満を表していたのだと、今なら分かる。
砂子以外、おれの周りには誰も居なかった。
刺すように胸が痛んだけれど、砂子は、もっと傷ついていたのだから、この痛みはとるに足りないと自分に言い聞かせる。
ミルクティーの入ったボトルを手に取って、少し飲む。
自分は甘いものは苦手だと決めつけて、砂子がすすめてくれても飲もうとしなかったブランドのものだけれど、砂子が好きなものなら、どんな味なのか確かめてみれば良かったと思って買ってみた。
「……甘い」
自分の口には合わなくて、小声で呟く。
ベーグルを一口、かじって、思ったより硬くて重い食感だと思った。
生地を茹でてから焼くから、日本で一般的なパンとは食感が違うのだと砂子から聞いた気がする。
人を大事に出来ない人は、誰からも大事にされなくなる。
砂子から言われた事を思い出し、理解してくれない人に人生の貴重な時間を使うのは無駄だと思っていた自分と同じで、今まで付き合って来た彼女も、おれと居る時間を無駄だと感じたのだろうと思い知る。
楽しそうに話していた女の子のグループは、おれに気づいて会話を止めると、途中だった食事を切り上げて、おれを睨んだ。
「砂子が可哀想」
その台詞で、食事をしていた女の子達が砂子の友達だと初めて分かった。
立ち去っていく彼女達の方を見れないまま、自分はひどい奴なんだと痛感した。
小学校の時、おれを馬鹿にした奴らと変わらず、おれは人を外見でしか見れない。
今更、勝手かもしれないけれど、砂子と居た時が誰と居た時より楽しかったのだと自覚して、もっと砂子を大事にすれば良かったと思えば思う程、砂子を傷つけていた自分自身を、殺したいほど憎いと思った。
