道中、浅黄に電話を掛けると、「さようならの意味が分からないとは思わなかったな」と皮肉を言われ、喫茶店に来るように言われた。
「あの……怪我とか無かった? 大丈夫?」
喫茶店に向かう途中、まだ繋がっている電話で、船堂達との事を聞くと「あの人達、身体が女の人にしか興味無かったんで、大丈夫です」と返って来る。
「鴇さんって、見た目、ほとんど男の人ですけど、電車で痴漢とかされた事、有ります?」
浅黄からの質問に「それは無いけど……浅黄は?」と聞き返した。
「私は有りますし、相手を捕まえて、駅員さんに突き出します」
「そっか……大変だったね」
「鴇さんも店長も、たぶん、痴漢したい気持ち、分かりませんよね?」
「そうだけど……なんで店長?」
浅黄は少し黙って「さぁ? なんででしょうね?」と笑った。
その様子が楽しそうに思えたので「店長とは、話、合うの?」と聞いてみる。
「まだ分かりませんけど……。店長って、なんで、名前で呼ぼうとすると『店長で、いいよ』って言うんですか?」
「さぁ……『店長の方が発音しやすくない?』って言ってた事は有るけど……」
「名前で呼びたいんで、名前を教えてほしいって言っても、名前、教えてくれないんですけど……」
「名前なら、『霧雨優』って聞いた気が……」
「……どういう字、書くんですか?」
「後でメール送るよ。浅黄、なんでSNS、やってないの?」
「同級生とかに『フォローして』って言われるのが面倒で……」
「友達、多いの?」
「まったく居ないです」
「……なんで?」
「愛想が無いからじゃないですか?」
「……そっか……」
曲がり角に突き当たり、「どっちに曲がるの?」と尋ねると「メールで地図、送るんで、それ見て下さい」と言われた。
「じゃあ、また後で」
浅黄は、そう言い、電話を切る。
おれは、少しの間、スマホを見つめていたが、浅黄からのメールが来たので、それを見る事にした。
「あの……怪我とか無かった? 大丈夫?」
喫茶店に向かう途中、まだ繋がっている電話で、船堂達との事を聞くと「あの人達、身体が女の人にしか興味無かったんで、大丈夫です」と返って来る。
「鴇さんって、見た目、ほとんど男の人ですけど、電車で痴漢とかされた事、有ります?」
浅黄からの質問に「それは無いけど……浅黄は?」と聞き返した。
「私は有りますし、相手を捕まえて、駅員さんに突き出します」
「そっか……大変だったね」
「鴇さんも店長も、たぶん、痴漢したい気持ち、分かりませんよね?」
「そうだけど……なんで店長?」
浅黄は少し黙って「さぁ? なんででしょうね?」と笑った。
その様子が楽しそうに思えたので「店長とは、話、合うの?」と聞いてみる。
「まだ分かりませんけど……。店長って、なんで、名前で呼ぼうとすると『店長で、いいよ』って言うんですか?」
「さぁ……『店長の方が発音しやすくない?』って言ってた事は有るけど……」
「名前で呼びたいんで、名前を教えてほしいって言っても、名前、教えてくれないんですけど……」
「名前なら、『霧雨優』って聞いた気が……」
「……どういう字、書くんですか?」
「後でメール送るよ。浅黄、なんでSNS、やってないの?」
「同級生とかに『フォローして』って言われるのが面倒で……」
「友達、多いの?」
「まったく居ないです」
「……なんで?」
「愛想が無いからじゃないですか?」
「……そっか……」
曲がり角に突き当たり、「どっちに曲がるの?」と尋ねると「メールで地図、送るんで、それ見て下さい」と言われた。
「じゃあ、また後で」
浅黄は、そう言い、電話を切る。
おれは、少しの間、スマホを見つめていたが、浅黄からのメールが来たので、それを見る事にした。
