「鴇の事、男の子として見れない。ごめんなさい」
性別の事でからかわれて来たおれは、小学二年生の秋、初恋の女の子に好きだと伝えて断られた。
翌朝、登校して思い知ったのは、人間なんかみんな馬鹿だという事。
「告白して振られたんだって」
「当たり前だよ。気持ち悪い」
教室で始まった会話の矛先が、おれに向けられている事は考えなくても分かる。
おれが想いを伝えた女の子は友人に全て話し、その友人が聞いた話を自分の友人に伝えた事が原因で、事の顛末はクラス中に知れ渡っていた。
おれが好きになった子は、そんな事で人を馬鹿にしないと思っていたのに、友人と一緒になって、おれを見下すように笑っている様子を目にした時、怒りが抑えられなくなった。
「戸籍の性別が女な事が何だよ。心が男なら、そいつは男だと思うし、おれだって、そうだ。理解しない方が悪い」
衝動に任せて声を荒げた。
おれの心と戸籍の性別が違う事を、親は理解してくれていた。理解しない奴がみんな馬鹿なんだと、疑いもしなかったおれが怒鳴った後、担任の教師が室内に入って来た。
教師は、おれを一瞥した後、目を逸らし、「沢来、うるさい」とだけ言って教壇に向かう。
それを合図に、教室中の生徒が、おれを「笑ってもいいもの」だと認定する。
嘲笑していいと決めつけたものに対して多くの人がとる態度は醜悪で、世の中全部、敵だと思ったし、馬鹿にした奴を見返したいと思った。
性別の事でからかわれて来たおれは、小学二年生の秋、初恋の女の子に好きだと伝えて断られた。
翌朝、登校して思い知ったのは、人間なんかみんな馬鹿だという事。
「告白して振られたんだって」
「当たり前だよ。気持ち悪い」
教室で始まった会話の矛先が、おれに向けられている事は考えなくても分かる。
おれが想いを伝えた女の子は友人に全て話し、その友人が聞いた話を自分の友人に伝えた事が原因で、事の顛末はクラス中に知れ渡っていた。
おれが好きになった子は、そんな事で人を馬鹿にしないと思っていたのに、友人と一緒になって、おれを見下すように笑っている様子を目にした時、怒りが抑えられなくなった。
「戸籍の性別が女な事が何だよ。心が男なら、そいつは男だと思うし、おれだって、そうだ。理解しない方が悪い」
衝動に任せて声を荒げた。
おれの心と戸籍の性別が違う事を、親は理解してくれていた。理解しない奴がみんな馬鹿なんだと、疑いもしなかったおれが怒鳴った後、担任の教師が室内に入って来た。
教師は、おれを一瞥した後、目を逸らし、「沢来、うるさい」とだけ言って教壇に向かう。
それを合図に、教室中の生徒が、おれを「笑ってもいいもの」だと認定する。
嘲笑していいと決めつけたものに対して多くの人がとる態度は醜悪で、世の中全部、敵だと思ったし、馬鹿にした奴を見返したいと思った。
