効果音をつけれるくらいあからさまに菊瑛の血の気が引いて行くのが分かる。秋春は口を大きく開け、目を逸らす。一連の流れを見ていた景蓮は何を言っているのか分からないとでも言いたげな顔をしている。まあ説明していないので当たり前なのだが。
「どうしてわたくしに嘘をついたのかしら。わたくし此処に来たばかりで不安だと言うのに嘘をつかれるのはあんまりですわ」
盛大にため息をつかんばかりにいう。我ながら意地が悪いなとは思うが。
「まずどうしてそう思ったのかを教えていただけませんか」
蚊の消え入るかの様な声で呟く様に言う。
「東夷(とうい)の方の倭(わ)の国の公主らしいそうですわね。」
玉蘭は数メートル離れた血色の悪い菊瑛にそっと近づく。
「汝霖様には十(とう)離れた仲の良い母が違うお姉様がいるとか。そして貴女は倭の国の皇族のつけることができる翡翠の勾玉(まがたま)を御髪に付けていらっしゃる。貴女ではなくて?お姉様というのは。仲の良い姉ならほどほどではなくかなりお慕いしていらしたのでは?」
そう問いかける玉蘭の口からは誰もが頷いてしまう声が出てくる。菊瑛は呆気に取られて顔をしながら玉蘭をまじまじと見つめる。六十秒から八十秒ぐらいの間誰一人として声を出さずに、相手の行動を見ると言った形が続いた。が、菊瑛が急に叫び気味に謝る。
「そうです。申し訳ございませんでした」
菊瑛は地面に額をぶつける勢いで、叩頭する。主人に嘘をついたとなれば、大罪だ。まあ今回はたいした嘘では無いが、玉蘭が傷ついたと言えば菊瑛の首が飛んでいってしまうこともある。普通なら一ヶ月謹慎で済むと思うが。
「わたくしが試して欲しいと言ったからですわよね。貴女は何も悪く無いのよ」
そうは言ってもなかなか菊瑛は頭を上がる気配はない。その他の侍女達も皆気まずそうに目配せをしている。秋春が初めに聞いた時目を逸らしていたので、気づいたと言うか侍女なら仲が良いのはわかっていたはずだ。
「まだ皐月ですので少し寒いわ。菊瑛お茶を入れて下さらない?秋春はわたくしにこの宮を案内して。他の方はわたくしの荷を解いて下さらない?」
そう言うと他の侍女達は宮の中へ一目散に走り出して行く。その後ろから玉蘭はゆっくりと侍女達の後を追う。
「今日はどうもありがとうございました」
殆ど忘れ去られていた景蓮に向かって玉蘭は一礼すると、美しい花々が咲いた庭園の奥の真っ赤な宮に向かって歩き出す。
「どうしてわたくしに嘘をついたのかしら。わたくし此処に来たばかりで不安だと言うのに嘘をつかれるのはあんまりですわ」
盛大にため息をつかんばかりにいう。我ながら意地が悪いなとは思うが。
「まずどうしてそう思ったのかを教えていただけませんか」
蚊の消え入るかの様な声で呟く様に言う。
「東夷(とうい)の方の倭(わ)の国の公主らしいそうですわね。」
玉蘭は数メートル離れた血色の悪い菊瑛にそっと近づく。
「汝霖様には十(とう)離れた仲の良い母が違うお姉様がいるとか。そして貴女は倭の国の皇族のつけることができる翡翠の勾玉(まがたま)を御髪に付けていらっしゃる。貴女ではなくて?お姉様というのは。仲の良い姉ならほどほどではなくかなりお慕いしていらしたのでは?」
そう問いかける玉蘭の口からは誰もが頷いてしまう声が出てくる。菊瑛は呆気に取られて顔をしながら玉蘭をまじまじと見つめる。六十秒から八十秒ぐらいの間誰一人として声を出さずに、相手の行動を見ると言った形が続いた。が、菊瑛が急に叫び気味に謝る。
「そうです。申し訳ございませんでした」
菊瑛は地面に額をぶつける勢いで、叩頭する。主人に嘘をついたとなれば、大罪だ。まあ今回はたいした嘘では無いが、玉蘭が傷ついたと言えば菊瑛の首が飛んでいってしまうこともある。普通なら一ヶ月謹慎で済むと思うが。
「わたくしが試して欲しいと言ったからですわよね。貴女は何も悪く無いのよ」
そうは言ってもなかなか菊瑛は頭を上がる気配はない。その他の侍女達も皆気まずそうに目配せをしている。秋春が初めに聞いた時目を逸らしていたので、気づいたと言うか侍女なら仲が良いのはわかっていたはずだ。
「まだ皐月ですので少し寒いわ。菊瑛お茶を入れて下さらない?秋春はわたくしにこの宮を案内して。他の方はわたくしの荷を解いて下さらない?」
そう言うと他の侍女達は宮の中へ一目散に走り出して行く。その後ろから玉蘭はゆっくりと侍女達の後を追う。
「今日はどうもありがとうございました」
殆ど忘れ去られていた景蓮に向かって玉蘭は一礼すると、美しい花々が咲いた庭園の奥の真っ赤な宮に向かって歩き出す。


