薔薇の心中

「生きることに興味(きょうみ)はありません。けれど儚(亡くなる)くなることにも興味はないので」



昔々、艶国の花街の一番格式が高い妓楼、薔薇楼(ソウビろう)。そこにはある程度私腹を肥やしているものでも会えないほど、値がつり上がっている一人の妓女がいた。

二胡を弾き、舞を踊り、詩を歌い、囲碁を打つ。

艶(ツヤ)のある長い髪に、生まれ持った妖艶で綺麗な顔つき。

薔薇(ソウビ)のような今にも散ってしまいそうな儚さ。

一生に一度でも会えたら幸運な姫。

その姫は生きること愛することに興味をなくしていたーーーー。