今日は、本当にいい日だった。
返ってきた一学期末のテストは、予想以上にいい点だった。これを維持できればチャレンジ校だった志望大学も合格圏内に入るぐらい。
誕生日の友達に買ったプレゼントは、めちゃくちゃ喜んでもらえた。この前の日曜、コスメカウンターをはしごして選んだ、濃いピンクのネイル。親が嫌がるからジェルネイルが出来ない、といつか言っていた友達は、「めっちゃかわいい! 結花、センスいいよね」と最高の笑顔を見せてくれた。彼女の白い肌に、きっとあのピンクのネイルは映えるはずだ。
夜、家族と見に行った野球の試合でも、推しの球団が勝った。1点を追う9回裏、ツーアウト一・三塁。バッターボックスの五番打者が放った打球は、センターの頭上を越えるタイムリーツーベース、二者が生還して劇的な逆転サヨナラ勝ち。ドラマみたいないい試合を生で見れて、本当に最高だった。
帰りの地下鉄、途中で乗ってきた妊婦さんに席を譲ったら、隣に座ってたおばあちゃんに「若いのにしっかりしたお嬢さんねぇ」と褒められた。ちょっと気恥ずかしかったけど、妊婦さんにも「ありがとうございます」なんてにこにこされて、いいことをしたなって気になれた。
家に帰る途中で、応援してる球団が勝ってご機嫌なお父さんが、わたしと弟の恭介に、「これでアイスでも買って帰っておいで」と三千円を握らせてくれた。ダッツの期間限定と、クラスでちょっと話題になった新しいお菓子を買って、わたしはとても満足していた。
本当に、いい日だった。――いい日だった、のだ。
「姉ちゃんさ、さっきなんで妊婦さんに席譲ったのさ」
「は?」
「あんなん、勝手にヤッて勝手に子供作ってんだからさ。優しくする必要、なくない?」
二人きりの、帰り道。恭介がそんなことを言い出すまでは。
返ってきた一学期末のテストは、予想以上にいい点だった。これを維持できればチャレンジ校だった志望大学も合格圏内に入るぐらい。
誕生日の友達に買ったプレゼントは、めちゃくちゃ喜んでもらえた。この前の日曜、コスメカウンターをはしごして選んだ、濃いピンクのネイル。親が嫌がるからジェルネイルが出来ない、といつか言っていた友達は、「めっちゃかわいい! 結花、センスいいよね」と最高の笑顔を見せてくれた。彼女の白い肌に、きっとあのピンクのネイルは映えるはずだ。
夜、家族と見に行った野球の試合でも、推しの球団が勝った。1点を追う9回裏、ツーアウト一・三塁。バッターボックスの五番打者が放った打球は、センターの頭上を越えるタイムリーツーベース、二者が生還して劇的な逆転サヨナラ勝ち。ドラマみたいないい試合を生で見れて、本当に最高だった。
帰りの地下鉄、途中で乗ってきた妊婦さんに席を譲ったら、隣に座ってたおばあちゃんに「若いのにしっかりしたお嬢さんねぇ」と褒められた。ちょっと気恥ずかしかったけど、妊婦さんにも「ありがとうございます」なんてにこにこされて、いいことをしたなって気になれた。
家に帰る途中で、応援してる球団が勝ってご機嫌なお父さんが、わたしと弟の恭介に、「これでアイスでも買って帰っておいで」と三千円を握らせてくれた。ダッツの期間限定と、クラスでちょっと話題になった新しいお菓子を買って、わたしはとても満足していた。
本当に、いい日だった。――いい日だった、のだ。
「姉ちゃんさ、さっきなんで妊婦さんに席譲ったのさ」
「は?」
「あんなん、勝手にヤッて勝手に子供作ってんだからさ。優しくする必要、なくない?」
二人きりの、帰り道。恭介がそんなことを言い出すまでは。
