クラス転移したけど俺だけステータス表記が違った

 翌日、俺は日課にしようとこころがけているランニングに朝5時から出かけた。

『早いですね』

「あ、アリス起こしちゃったか?」

『いえ、私の種族は短時間の睡眠でも最大のパフォーマンスができるようにプログラミングされているのと、強制的に深い睡眠をとる魔法を使用しないと寝れないので……それでも4時間程度しか眠れないのですがね』

「寝る時捕獲状態になっておくか? そっちのほうが疲れは回復できるんだったら毎晩そうするけど」

『疲労の回復は同程度。睡眠以外の時間に魔法の理論を構築していたりしているので、特に問題はありません。お気になさらず』

「そうか……これから俺はランニングに行くが、一緒に行くか?」

『はい!』

 というわけでアリスと一緒にランニングへ。

 町の様子も王都や道中の町とジパングは違う。

 王都とかゲルマ王国の町はだいたい円形かつ計画的に住居が建てられていたが、ジパングはまるで迷路だ。

 一応道は敷かれているが、一歩裏道に行くと、自分が何処にいるか分からなくなるくらい建物が乱立している。

 ビルは無いけど、そこそこ背の高い集合住宅……アパートとかが建てられているので、東京の下町とか無計画に拡張されていった地方都市みたいな感じがこの町からする。

 ただわかっているのはこの町の広い道を辿れば中央の塔に行き着くということだろうか。

 走りながら中央の塔の近くに行くと、滅茶苦茶デカい。

 普通のビルが4、5本束になったかのような太さをしており、円柱状に天高く伸びている。

 前に買ったジパング迷宮攻略ガイド本には地上部は400メートルの高さがあり、転移の魔法陣に乗ることで、一瞬で任意の階層に行くことができるらしい。

 1階から10階までは冒険者ギルドの階層、低階層は商業施設、中階層はダンジョンに潜るために必要な道具の専門店が入れられ、上層は金持ちの居住スペースや一部宿泊施設になっているらしい。

「あんな高いところに住んでもしょうがねぇだろ……」

『運搬のコストが高そうですよね』

 アリスの時代にもここまで高い建物はあんまりなかったらしい。

「あんまりってことは多少はあったのか?」

『電波塔はありましたが、人が住むようには作られてませんでした。雷が落ちると大変なのでね』

「なるほど」

 確かに落雷は大変だな。

 日本でも高い建物は落雷がよく落ちると聞いていたし……。

 入口は広く、塔の中を少し覗いてみると、この時間にも関わらず冒険者ギルドが開いていた。

 ただダンジョンの入場は制限されているらしく、立て札に開場は6時以降と書かれている。

「そりゃ広いダンジョンだから地上に出る時間は結構かかるか」

 夜間や朝方も冒険者ギルドが開いているのは広いダンジョンから戻ってくる人々を迎え入れるためだろう。

 冒険者ギルドを覗いて、普通のギルドと違う点は食事処がない点だろうか。

 上層の階層に食事処があるので、わざわざ冒険者ギルドとして提供しなくて良いのだろう。

 後目立つのは救助依頼の貼り紙が掲示板に多い事だろうか。

『救助依頼が多いですね』

「ああ、それだけ危険なんだろう」

 とりあえず、早朝はあんまり冒険者ギルドも稼働しているとは言えないので、邪魔にならないうちに撤収。

 その後周りをランニングで巡って、6時に近くなったので宿に戻るのだった。




 宿に戻って風呂に入る。

「あ、アリス先に風呂入っていいよ。俺庭でシャワー浴びれば良いから」

『何言っているんですか、主様! 一緒に入りますよ!』

「ちょ! おま!」

 アリスは俺を引っ張って風呂場に連れ込まれてしまった。

 服を無理やり脱がされると、

『うわ、大きいですね!』

 俺の息子を見て大きいですねって嬉しそうに呟く。

 恥ずかしい。

 アリスも認識阻害を解除して素っ裸になるが、俺はなるべく裸体に目線が行かないように気をつけて風呂に入るが、アリスの方を見ると、たわわな胸に目がいってしまう。

 髪、体を洗ってシャワーを浴びると俺はそそくさと風呂場から出ていく。

『あ~主様〜お風呂に浸かりましょうよー』

 アリスの声が聞こえてくるが、やっぱり混浴は無理。

 ちゃっちゃと上がって自室に戻るのだった。




 自室に戻ろうとしたが、朝食どうなってるんだろうと台所を見に行くと、藤原さんとホノノカ姉妹が朝食の準備を進めていた。

「あ、斎藤君おはよう」

「「おはようございます!」」

「おはよー悪いな朝食作ってもらって」

「いえ、昨日の2人を見ているとまだ不安で……」

「「ごめんなさい」」

「いや、責めているわけじゃないからね! これから上手くなろうね!」

 すっかり藤原さんがホノノカ姉妹の姉みたいになっていた。

 朝食は豚汁、漬物、そして塩おにぎり。

 ノリは無いけど、朝飯はこれくらい軽くて十分。

「斎藤君、ミンナとマリーを起こしてくれないかな?」

「了解、呼んでくるよ」

 俺はミンナとマリーを起こしにいき、そうこうしていると風呂に入っていたアリスも上がってきて朝食を頂く。

「いただきます」

 藤原さん曰く、豚汁を多めに作ったので、昼メシも豚汁の残りとホノノカ姉妹と料理の練習をするので、それで作った料理が昼メシになるらしい。

 今日の予定は昨晩話したように、既に割り振っているので、朝食を食べ終わると各々動き始める。

 朝飯は普通に美味しかった。








「さてと、補修してほしい場所をアオイから教えてもらったからやりますか!」

 まず真っ先に直すのは屋根の修復。

 経年劣化で雨漏れがするようになってしまったらしく、屋根を直して欲しいとのこと。

 俺はクリエイティブモードで屋根に移動し、傷んでいる場所に目星を付ける。

「支柱の方は痛んでなさそうだな……傷んでいる場所を取り外して……」

 クリエイティブモードを選択していると、同型の屋根を作るって表示が現れ、木材と石材を消費することで、新しい屋根に全体を置き換えることができるっぽいので試してみる。

「置き換えっと」

 一瞬屋根が消えた後に新しい屋根に置き換わった。

 前の屋根は素材に変換されるし、今のでも経験値を得ることができた。

「物作りでも経験値が得られるように、能力を使った修繕でも経験値が入るのか」

 良いことを知ったと思いながら、屋根が終わったので、次は床の修繕をしていく。

 穴は空いてないけど、支柱の一部が腐っていたり、床の支えが腐って、強く踏み込んだら床が抜けそうな場所が何箇所もある。

 そこを技を使って新しい木材に置換したり、床を張り直したりしていく。

 床や壁のすり抜けで傷んでいる場所を直ぐに見れたり置換できるクリエイティブモードが便利すぎる。

 たぶんこの使い方がクリエイティブモードの本来の使い方なんだろうな。

「あとは……キングスライム軍団!」

 俺はキングスライムを複数体呼び出すと、スライム達に床の汚れや置換する時に出たゴミを食べて綺麗にしてもらった。

「うん、キングスライム達が通った後はコーティングされたみたいに綺麗になるからこれでいいな」

 木材の飛び出た木片だったり、飛び散った木屑だったりをキングスライム達は綺麗に食べていってくれる。

 掃除屋としてもキングスライム便利だな……。

 床の修繕を終わらせた頃に昼メシの時間になり、昼メシを頂く。

 豚汁に炊きたてご飯、酢豚に麻婆豆腐がメニューとして出された。

 うん、どれも美味しい。

 町の散策を中断して戻ってきていたミンナ、マリー、アリスの3人も美味しそうに食べていて、ホノノカ姉妹はホッとしていたっぽい。

 昼食後、俺は庭に出て、昨日植えたステータスの花の収穫。

 体力の種、魔力の種、筋力の種、防御の種の4種をそれぞれ5粒ずつ植えていたので、今日だけで各種250粒ほど回収。

 藤原さんに、

「この量のステータスの種食べるの大変だから料理で使ってくれない?」

 そうお願いすると、夕飯にステータスの種をすり潰して粉にし、小麦粉と混ぜて鶏肉にまぶしてから揚げにしてくれた。

 藤原さんもよくそんな料理を思いつくな……。

 勿論ステータスの種の収穫だけでなく、他にも壊れているシャワーの修復だったり、使用禁止になっていた流れが悪いトイレの詰まりや水回りの問題解消、風呂場も業者に頼まないといけないかなって思っていたが、調べてみたら思ったよりも構造が簡単だったので、技を使いながらではあるが修復できてしまった。

「うん、やっぱり現物を見ながらの修理だから色々な物の構造の勉強になったな!」

 途中、アカリが廊下を埋め尽くすキングスライムに悲鳴を上げる事件が起こったりもしたが、1日中修復を行なったことで俺はレベルが1アップ。

 器用のステータスがBへと上がり、順調に成長するのであった。

 これが今の俺のステータス。

 名前 サイトウ・タカシ
 年齢 17
 性別 男
 職業 農家/ファーマー
 レベル 61
 体力 S
 気力 B
 知力 B
 器用 B
 筋力 C

 技
 ・捕まえる
 ・合成する
 ・鍛える
 ・道具を作る
 ・収納する
 ・大豊作
 ・図鑑
 ・名付ける
 ・範囲を拡大する(レベル1)
 ・穴を掘る
 ・鍬ワープ
 ・釣る
 ・繁殖する
 ・剥ぎ取る
 ・肥料を作る
 ・クリエイティブモード