クラス転移したけど俺だけステータス表記が違った

 アリスにアイテムボックスの改良をしてもらって、申し訳ないと思いつつも、捕獲状態にして、鍛えるの技を使用した。

 タイマーは9時間と表示されている。

「アリス……部屋の中とはいえ、宿で長時間滞在すると、ほかの部屋の人に客以外を連れ込んでいるってバレるとまずいからな……申し訳ないが、鍛えるを選択すれば、全身マッサージされたみたいに疲労が取れて、体の不調が整うってミンナと藤原さんは言っていたから……これで今日は勘弁してくれ。明日代わりに昼メシに美味しいお弁当持っていくから」

 部屋の中で申し訳そうにしながら、俺は風呂場へと向かい、体の汚れを落として、湯船に浸かる。

(今日のスポットで釣りを続ければ、アリスみたいな古代天使の化石がまた釣れるかもしれないし、宝石である琥珀が数釣れるのは結構金策的にありがたい)

 まだ換金はしていないが、結構な値段になると思うんだよなぁ……。

 明日も今日と同じ場所で釣りをして琥珀を釣り上げる? 掘り上げる? 予定なので、それと一緒に換金しに行こうと思う。

 もしそれで予定金額の50万シンクに貯まってしまえば、数日旅の準備をして出発だ。

(キングスライムや使役しているモンスター達のおかげで、昨日よりも素材の回収はできたし、ちゃっかりエレキマッスルの数を増やしたんだよなぁ……今3体に)

 ムキムキマッチョなエレキマッスル達……筋肉で頭が支配されているタイプではなく、ちゃんと道具を扱うことにも長けているし、俺が解体したモンスターの素材の分別や運搬を手伝ったり、結構頼りになる。

 迷宮国家ジパングにあるダンジョンを攻略するなら、俺以外の荷物持ちとして連れ歩いてもソンでは無いだろう。

 あとスライムにアイテムボックスを合成できないかっていうのを今日試してみたが、そしたらミミックになってしまって、加工前に戻るという本末転倒具合。

 5000シンク無駄にした。

 一応明日アリスがそのミミックを再加工してアイテムボックスにできるらしいので、完全に無駄ではないけどね。

「ふう……」

 風呂で一息つく。

(自分の大農園作って、捕まえたモンスターを人型の魔人にして……色んな作物や家畜を育てて……あぁ、俺ってスローライフをやりたいんだろうな。そのスローライフを送るために今頑張る必要があるから頑張る……のか? なんか投資で早期に仕事辞める人みたいな感じがするな)

 目標を叶えるために頑張る……普通の考えである。

 冒険者でも、成功して嫁さんと出会って、田舎で子供達に武勇伝を語る……なんて言うのが一般的に成功した冒険者の理想って言われるくらいらしいし……。

(規模が大きいだけで、やりたいことはそれだからなぁ……)

 俺が成功を手にする頃に、園田が魔王を倒してくれると助かるけど……どうなることやら……。

「頼むぞ園田。俺と藤原さんは応援はしているからな」

 言っていてなんか情けなく思う俺であった。





 風呂上がって、俺は女性陣の部屋を訪ねて、ステータスの調整を行うからと言って、各自のステータスを上げていった。

 ミンナからはMPとマジックを高めて欲しいって希望があり、マリーは逆にMPとマジック以外……スピードとHP、ガードを上げてと希望され、藤原さんは満遍なくって言われた。

 で、ステータスを上げた結果こんな感じに……。

 名前 フジワラ・アヤノ
 種族 人族
 年齢 17
 性別 女
 職業 ハウスキーパー/内助の功
 健康 良好
 好感度 70/100

 レベル 50
 割り振りポイント0

 HP C 0/25(1100/3300)
 MP D 0/20(1050/2625)
 パワー D 0/20(1025/2523)
 ガード D 0/20(1025/2523)
 マジック D 0/20(1200/3000)
 スピード D 0/20(50/125)
 ラック C 0/25(55/165)

 ちなみに後ろの()は彼女のステータスの数値と後がステータスの補正が乗った実数値である。

 こうすると分かりやすい。

 ちゃっかり藤原さんの好感度が70になっていたのにも驚いた……告白すれば付き合ってくれないかな? 

 続いてミンナ。

 名前 フレック・ミンナ
 種族 人族
 年齢 18
 性別 女
 職業 魔道士
 健康 良好
 好感度 52/100

 レベル 50
 割り振りポイント10

 HP D 0/20(1125/2813)
 MP B 0/30(1345/4708)
 パワー E 0/15(1106/2212)
 ガード E 0/15(1320/1640)
 マジック B 0/30(1780/6230)
 スピード E 0/15(180/360)
 ラック E 0/15(75/150)

 うん、藤原さんに比べると基礎ステータスが高い分、倍率が低くても藤原さんに張り合えているし、MPとマジックを高めた分数値が5000を超えていたり……。

 十二分に強いのだが、マリーを見ると更にバグる。

 名前 マリー
 種族 ヴァンパイア
 年齢 15
 性別 女
 職業 ヴァンパイア
 健康 良好(日焼け)
 好感度 53/100

 レベル50
 割り振りポイント 10

 HP C 0/25(2500/7500)
 MP G 0/5(557900/557900)
 パワー C 0/25(1650/4950)
 ガード C 0/25(1090/3270)
 マジック E 0/15(3420/6840)
 スピード C 0/25(890/2670)
 ラック C 0/25(45/135)

 うーん清々しいまでの数字の暴力。

 これに今日で俺のレベルと同じ53まで上がるアリスはラック以外2500の数値があるので凄いことになるだろうし……。

「エッグ」

 今のところ合成モンスター達も平均2500から3000くらいのステータスが殆どだし、そのモンスターもレベルによるステータスバフが乗っている。

 ちなみに面倒くさいので、捕まえているモンスターは今は一律Dにしている。

 たぶんモンスターは今後も一律で上げていくことになるだろう。

 ちなみに計算すると一律で上げると、次70レベルでオールCにできる計算である。

 100レベルが上限だった場合オールBにはできない計算だけど……果たして上限はあるのだろうか? 

「流石に上限ないとぶっ壊れだぞ……」

 女性陣のステータス調整も終わったので、各々解散し、ベッドに潜り込む。

「さて、明日に備えないと……」

 俺はゆっくり眠りに就くのだった。






 異世界転移して20日目。

 朝にはアリスの鍛えるは終わっており、ステータス上でも健康と表示されていた。

「さてと、ランニング行きますか」

 早朝からランニングをして、風呂で汗を流し、女性陣を朝食に誘う何時ものルーティン。

 今日の朝食は川魚の塩焼きに漬物と豆腐の味噌汁、冷奴にご飯というザ・和食っていうメニューで、凄い落ち着く。

 この世界では基本フォークとスプーンを使うのが一般的だが、使える人は箸を使う。

 ミンナとマリーの2人も城のマナーとして箸が使えないといけない食事があったおかげで普通に使いこなしていたし、なんならマリーは魚の身を食べるのが誰よりも綺麗だった。

「王族としてそこら辺は厳しく躾けられたので……使える期間は短かったですがね」

 ちょっとブラックジョークをかますのは御愛嬌。

 朝食を食べ終わって、部屋で俺は本を読む。

 ミンナが結構本を持っていて、それを貸してくれていた。

「異世界だと誰かの武勇伝とか人物伝がラノベみたいな感じで面白いな」

 脚色されている部分が多いと物語としては面白い。

 勿論そういうのが嫌いで、堅苦しい人物の伝記もあるが、それはそれで味があって面白い。

「女性陣は今ごろ風呂かな……旅の間風呂とかどうするかな~」

 一応藤原さんとミンナが体を洗浄する魔法が使えるので、清潔さは保てるかもしれないが、洗うときに俺の裸を見せないといけない。

「ワーキャー言われないとは思わないけど、恥ずかしいな……他の冒険者はどうしていたのかな?」

 伝記で移動中に関する記述は少ないけども多少はある。

「なになに」

 一般的には洗浄の魔法、それができないパーティーは水で濡らしたタオルで体を洗うなどが殆どであったが、中には面白い記述が。

「凄いな……シャワールームを自作か」

 この記述を見て、俺もできるんじゃねって思った。

 シャワーノズルは簡単に作ることができるし、汲み取りポンプの要領で、ポンプを押し続ければお湯を出せるようにすれば……。

「確かお湯を生み出す魔石とかも売っていたよな? それを組み込めば簡単なシャワールームくらいはできるんじゃね?」

 実際部屋で簡単な仕切りを作ってみて、汲み取りポンプどころか、天井にお湯をためておく桶を置いて、レバーを引けばお湯がシャワーノズルに落ちてくる……みたいな簡易シャワールームをものの数分で作り出すことができてしまった。

「うん、良いなこれ。実際に今度平原で試してみよう」

 思ったよりもいい出来に俺は満足し、やっぱり過去の偉人の伝記というのは勉強になるなぁ……と思うのだった。





 時刻は9時を周り、皆の準備も整って冒険者ギルドに移動。

 案の定ピークタイムを過ぎていたので、結構空いていた。

 換金するカウンターに移動して、そこで昨日の成果物を換金してもらう。

「皆さん凄いですね! シルバーの人が居るとはいえ、この量の素材はなかなか」

「ミンナとマリーが凄腕で、俺と藤原はついでなので……荷物持ちと解体作業を生業にしていて」

「なるほど……集計終わりました。こちらが今回の金額になります」

 買取証明書が水晶玉から転写されて俺の前に置かれる。

 そこには10万8500シンクって書かれていた。

 昨日はアリスの一件があったけど、それ以外は基本絶好調だったのでこの値段か。

 とりあえず女性陣に2万シンクずつ渡して、残りの4万8500シンクは旅費の為の貯金に充てる。

「じゃあ今日も稼ぎに行くか!」

「「「おー!」」」

 俺達は冒険者ギルドから出て、森に向かうのであった。